「おい、面白い話をしてやるから書けよ」

立川競輪場の検車場でいきなり声を掛けてきた選手がいた。秋田のベテラン・坂本毅だ。

坂本毅選手(撮影・栗田文人)
坂本毅選手(撮影・栗田文人)

聞けば、確かに面白すぎる話なのだが、紙面やネットで公にするのは難しいというか、少々危ない内容(念のため書いておきますが、決して犯罪等に関係する話ではありません)。

8歳も年上の当方に向かって「お前、いつもいろいろ書いてるじゃねえか。ガタガタ言ってねえで、いいから書けよ。第2弾でもっと面白い話もあるけど、聞くか?」って、言葉遣いも何もあったものではない。とはいえ、自分から売り込んできてくれる選手はありがたい。開催終了後ラインを交換して連絡をすると、以下のような写真が多数送られてきた。とても全部を載せるわけにはいかないが…。

プライベートでの坂本毅選手(左)。右は永沢剛選手(坂本選手提供)
プライベートでの坂本毅選手(左)。右は永沢剛選手(坂本選手提供)

「俺も(選手として)それほど先が長いわけではないしさ。思い出にいろいろやっておこうと思ってよ」

そんな坂本だが、15日の決勝では、チャレンジ9連勝で特昇してきた113期卒記チャンピオン・藤根俊貴の番手で、いったんは離れたもののリカバーして、3着と健闘。底力のあるところは随所に見せた。

ラインの文章にはこうあった。

「立川はお世話になりました。予想通り離れました(汗)。練習頑張ります(力こぶ)。コラム拝見してますね(笑)。記事にしてください」

面と向かっては口は悪いが、一転、ラインだと別人のように丁寧。このギャップが何とも面白い。これからもますます頑張れ、坂本毅! 【栗田文人】