15年度からオートレースのSGおよび特別G1で、2連勝単式の払戻率を一律70%から80%に変更する。売り上げ改善策の一環として、各施行者が実施する。今年は33期新人選手募集など、オートレースの活性化に向けた動きが顕著になってきた。

 オートレース施行者(千葉県、船橋市、川口市、伊勢崎市、浜松市、飯塚市、山陽小野田市)は4月からSGおよび特別G1において、2連勝単式の払戻率を80%に設定する。つまり控除率が30%から20%に変更となり、払戻金が増えることになる。過去1年間のSGおよび特別G1を参考にすると、払戻金は約13~14%増える計算になる。ファンにとっては朗報だが、対象車券は2連勝単式に限定されている。

 払戻率変更の背景には、売り上げ減に歯止めがかからない厳しい現状がある。小型自動車法の一部改正に伴い、12年6月9日の川口、伊勢崎、飯塚開催から全6場で払戻率を75%から70%に変更した。しかし施行者収支の改善には至らなかった。事業環境を考慮して逆転の発想で今回の見直しとなった。

 これまでも「分かる、当たる、楽しい」をコンセプトに6車立てレース、2級車VS1級車、期別対抗バトルなどファンが楽しめる企画に順次取り組んできた。最近は佐藤摩弥と益春菜の女子レーサーの活躍や新人選手の台頭が目覚ましい。世代交代の動きが活発となり、より魅力のあるオートレースが実現しつつあるのは確かだ。

 昨年、船橋オートの15年度末の廃止が正式に発表された。今はこれを起爆剤として行動を起こすときだ。ポジティブ思考でオートレースの面白さを前面に押し出せば、1度離れたファンを呼び戻し、新たなファン開拓にもつながるはずだ。