村上義弘(40=京都)が、賞金1000万円にふさわしい名勝負を制した。4日制G3制覇は今年1月立川に続く通算26度目、3日制を含めると30度目の記念優勝となった。

 まさしく魂の走りだった。打鐘前から突っ張り先行に出た新田祐大に、最終2角3番手まくりで襲い掛かった。3~4角は村上と新田の力比べに。「踏み合いになったときは正直、足はもう残っていなかった。でも、新田君も苦しいだろうと思った」。我慢比べに勝ち、ウイニングランでは誇らしげに両手を天に突き上げた。来月の岸和田高松宮記念杯(G1)を念頭に、セッティングの試行錯誤を続けていた。その中で、自力でつかみ取った価値ある勝利。「グランプリを目指して頑張りたい」。近畿の総大将はまだまだ君臨し続ける。【山本幸史】