【ヤマコウコラム・時は来た!!】

 7日付の日刊スポーツに「伏見俊昭、結婚」の文字が躍った。私は彼女がいることは知っていたが、結婚は初耳だった。そこで、伏見を緊急招集。

 「冷たいやっちゃなぁ、何も知らせないで」のひと言から始まり、根掘り葉掘りと聞いた。東日本大震災の影響で松阪に拠点を移した。ここで練習をしているうちに知り合い、付き合うようになり、公表が遅れたのも、この歳まで独身を貫いていて気恥ずかしい部分もあったらしい。

 「不調が続いた時は、どんなふうに支えてくれた?」と聞いても「普通ですねぇ」。「松阪のF1優勝した時はどんな反応だった」と聞いても「よかったねぇって言ってくれました」とのあっさりした答え。「これじゃ、記事に出来んやないかい!」と一喝。

 しかし、苦しんでいる今こそ、彼女のために頑張ろうと思っているのは事実だろう。これからは人のためにも走らなければいけなくなる。しかも、特選は山崎芳仁の後ろだ。大ギアの先駆者が、ギア規制後もこれほど活躍できるとは、誰も思わなかっただろう。伏見が素直に「尊敬する」と言っている選手の一人だ。彼の活躍を見て、まだ自分もやれると鼓舞する部分もあると思う。

 特選10Rは山ちゃんの他に、松谷秀幸、高久保雄介、松岡貴久と自力型がそろった。高久保は、先行基本に攻めていくだろう。松谷、松岡はまず中団が欲しい。緩んだところを一気に山ちゃんが仕掛ける。そして、伏見が奥さんの地元で勝利を飾るとみた。

(日刊スポーツ評論家)