初夏の頂上決戦は、ボートレース発祥の地である長崎・大村ボートで行われる。しかもサマータイム・薄暮レース。連載「ROAD TO オールスター」の第1回は、総展望をお送りする。注目は新レジェンド今村豊(53=山口)。昨年、優勝戦1号艇も2着惜敗。今年はプレミアムG1マスターズ完全Vの勢いで乗り込んでくる。

 今月7日に73歳、ボート界のレジェンド加藤峻二が引退した。その報に号泣した今村。オールスターは84年に初めて手にしたSGタイトルだ。昨年の福岡大会では、SG最年長制覇を目前にして敗れた。53歳になった今年もマスターズを完全V。加藤からレジェンドの称号を受け継ぐ存在であることは、誰もが認めるところ。大村水面との相性も良く、今年こその期待がかかる。

 その今村を差し切ったのが菊地孝平だ。昨年はその勢いでMVPまで上り詰めた。4月のG1大村周年は、優勝戦で不完走失格。リベンジを連覇という最高の形で果たしたい。ファン投票1位、瓜生正義は3月のSGクラシックではFに泣き、オールスターが終わると、F休みに入ってしまう。ファンの期待、準地元九州地区での開催に燃えないはずはない。初日ドリーム戦1号艇で、まずは気迫の走りを見せる。

 今垣光太郎、太田和美、白井英治、茅原悠紀の4人も6月のSGグラチャンをF休みで欠場する。もちろん目イチ勝負とみていい。池田浩二、山崎智也、松井繁、服部幸男ら過去のオールスター覇者も大村を得意にしている。地元長崎勢は石橋道友、赤坂俊輔、下條雄太郎が参戦。地の利を生かし優勝を目指す。【中川純】

(明日は大村のコース特徴)