復活の栄冠は、最大の武器・スタートでもぎとった。「ROAD TO オールスター」の名勝負編は、昨年の福岡大会。菊地孝平(36=静岡)がイン今村豊を差し切り、4年11カ月ぶりのSG戴冠を果たした。人気の今村を破った要因は、ボート界屈指といわれるスタート力だった。

 福岡は風や潮の干満などで、スタートが難しい。だが、菊地は準優でコンマ05のスタートを決めてまくりで勝った。優勝戦も2コースから「自分の勘を信じていた」とコンマ09を決める。イン今村も10を決め、1Mで先マイするが舟が浮いた。菊地はそれを見逃さず、ずぶりと差し切った。

 09年7月の若松オーシャンC以来のV。その間はペラに悩んだ時期が長かった。エンジン出しに苦労する姿を幾度も見た。九州でSGが開催されると「若松だけじゃなくて九州は相性いいですから」と復活を約束したこともあった。福岡で復活を果たすと次の浜名湖のSGグラチャンも制し、14年のMVPになった。

 菊地は、4月大村のG1周年に4号艇で優出したが、2周1Mの事故に巻き込まれ不完走。オールスター連覇のみならず、そのリベンジにも燃えている。【中川純】

※明日はなるほどデータ