トモヤがSG連覇! 第12Rで優勝戦が行われ、1号艇の山崎智也(41=群馬)が先マイから押し切り、5月大村オールスターに続くSG連覇を達成した。SG連覇は史上14度目。グランドチャンピオンは初制覇で通算9個目のSGタイトルを手にした。2着は峰竜太、3着は辻栄蔵だった。

 前検日、エンジン抽選後に掲げたVサインが序章となった。山崎智也は最後まで冷静に戦い抜き、物語は見事に完結した。わずか1カ月余りの間に、2度のSG制覇を成し遂げた。「やり過ぎでしょう」。ヒーローは何度もこう繰り返し、端正な顔でほほ笑んだ。

 優勝戦も危なげなく逃げた。「昼に深川(真二)と足合わせして若干、分が良かった」。予選トップを快走した同期を終盤に来て機力でも上回っていた。こうなれば、負ける要素は限りなく少なかった。グランドチャンピオンは初制覇。史上14度目のSG連覇で、通算9個目となるSGタイトル獲得となった。

 SG優勝戦の1号艇を、「楽しい」と言い切る。こんな選手が他にいるだろうか。「まず自分が楽しくないとお客さんも楽しめない。準優の1号艇でも楽しいですし、大舞台は楽しいです」。グランプリに出場できない不遇の時代があったからこそ、その価値を知り、その境地に達した。今年は本厄。地元でおはらいもした。しかし、このリズムの良さはどうだ。どこにも厄なんて見当たらない。「これ(SG連覇)が厄なんじゃないですか」と上半期をジョークで振り返った。

 優勝インタビューが終わると帰路を急いだ。ファンの期待する答えは「奥さんのため」だろうが、現実のトモヤはちょっぴり違う。「明日(29日)、人間ドックなんで」。人間味あるヒーローはどこまでいっても飾らない。次回、三国オーシャンカップでSG3連覇に挑戦する。【東 和弘】