打鐘4角から主導権を握った平原康多の番手を回った武田豊樹(41=茨城)が、絶好の展開を生かして差し切った。

 武田のG3優勝は4月西武園以来、今年4回目、通算25回目(協賛競輪は除く)。2着は平原、3着は斎藤登志信で東日本ラインで上位独占した。

 平原がフルダッシュで主導権を握った。ラインで出切ってしまうと武田は大きく車間を切って平原を援護。平原のかかりも抜群で、4番手に位置した浅井康太も仕掛けられず、武田が余裕で差し切った。

 「今回の優勝は平原につきます。彼もグランプリに向けて1戦1戦が勝負なのに、あの長い距離を駆けてくれるんだからすごい」と盟友に感謝しきりだった。 落車続きで状態面には不安を残す状況だが「勝負している中で落車は仕方ないし走る以上はあまり言いたくない。今回はテーマも見つかったし今後に向けて少しずつ修正していきますよ」。競輪祭からグランプリに向けて、最強王者がしっかりとステップを踏んでいく。【井上和久】