日刊スポーツ新聞社制定「第29回競輪年間三賞」が決定した。

 MVPの殊勲賞は日本選手権、オールスター2冠を果たした新田祐大(29=福島)が初受賞した。敢闘賞はKEIRINグランプリ(GP)を初制覇した浅井康太(31=三重)、技能賞は高松宮記念杯、競輪祭を制した武田豊樹(42=茨城)、ガールズ最優秀選手賞は小林優香(22=福岡)が連続受賞した。表彰式は2月16日、東京・品川プリンスホテルで行われる。

  輪界を新田祐大のスピードが席巻した15年だった。G1最高格式の3月日本選手権を写真判定の末に制し、次位格式の9月オールスターは、まくり圧勝で堂々の2冠王に輝いた。日本選手権と同じ京王閣GPは後方になりながらも大外をまくって2着入線するなどスーパーダッシュ連発の活躍はMVPに最もふさわしい。

 GP直後に今年の目標を掲げた。「番手の山崎(芳仁)さんと練った作戦通りの展開になったが、結局は自分の力不足で生かすことができなかった。来年はその反省を踏まえて実績を残したい」。スピードだけなら、追随を許さない。だが、ライン戦の競輪では新田のスピードを撃破する強者(つわもの)がそろっている。

 日本選手権、オールスター以外のG1では不発も経験。ナショナルチームのスケジュール最優先の中での競輪参戦は厳しい。だが、その中で自ら時代を築くためには、今年は勝負の年となる。リオ五輪へも正念場を迎える。ロンドン五輪に続く連続代表へ、ナショナルチームの一員として、自転車競技のW杯や国際大会に参戦してきた。世界を舞台にしたスピード勝負、激しい代表争いが新田をフル加速させる。

 ◆新田祐大(にった・ゆうだい)1986年(昭61)1月25日、福島県会津若松市生まれ。県立白河高卒。日本競輪学校90期生で在校52位。05年7月函館デビュー。10年G1SSカップみのり、14年のG2共同通信社杯V。15年3月日本選手権で4日制以上のG1初V、同9月オールスター制覇。173センチ、87キロ。血液型O。