激戦区といわれる「第59回G1近畿地区選手権競走」が、尼崎ボートを舞台に6日から11日まで開催される。初の地元G1参戦に燃える尾嶋一広に注目だ。

 尾嶋一広がようやく、地元のG1初出場を果たす。「もっと早く出てこないといけませんよね」と表情をグッと引き締めた。

 センスは十分あったが、フライング事故が多く成績は伸び悩んだ時期が長かった。「いろいろありましたね。最近かな、ようやくコンスタントに走ることができるようになってきましたよ」。苦戦していた頃は1着だけを求め過ぎていた。攻めて出ては失敗、大敗することもしばしばあった。近況は冷静に展開を見据えることができるようになった。道中でも手堅く着をまとめられるようになっている。「1度、A1級になってからA2級へ戻った時に目標を立てたんですよ。勝率7・00、複勝率50%、3連対率70%。もちろんまだ達成していませんが、この数字を残すためにどうするかを考えたんです。道中の戦い方をもっと深く追求して、いかに着順をキープするか。そうすると抜かれることが少なくなりました。走らせてもらえるG1は勉強できるチャンスだと思っています」と確かな手応えをつかみつつある。

 調整にも自信が付いてきた。以前から出足や乗り心地を求めるタイプだった。「自分の追求する仕上がりに近づいていますね。伸びを求めていないので、スタートが大事になります。しっかり踏み込めるような出足になればいいですね。さらに行き足から伸びがあればベスト。簡単にはいきませんがね」。照れ笑いを浮かべながらも、その表情には自信もにじむ。地元の調整であれば問題はない。

 地元で開催される近畿地区選は「尾嶋一広」の名前を売り出すにはこれ以上ない舞台だ。「まず、予選突破をするにはどうすべきかを細かく考えていきたい。あとは焦って失敗することが多いので落ち着いてレースに取り組みたいです」と気合が入る。尾嶋にとって輝く未来につながるシリーズが幕を開ける。

 ◆尾嶋一広(おじま・かずひろ)1987年(昭62)5月15日、兵庫県生まれ。07年11月に101期生として尼崎でデビュー。初優出は11年10月、初優勝が12年12月の新鋭リーグ。ともに地元で果たしている。通算優勝は2回。攻撃的なスタイルが持ち味。近畿地区選は走り慣れた水面で猛アピールといきたい。同期には後藤翔之、大池佑来、篠崎仁志、守屋美穂ら。166センチ、55キロ。血液型O。