「G1第59回中国地区選手権」が明日10日から15日まで、広島県・宮島ボートで開催される。

 現状からもう1歩、抜け出したい-。デビュー11年目を迎える川下晃司が、ひと皮むけようとしている。12年にはG1新鋭王座に芦屋、徳山と連続出場するなど、広島支部の注目株だった。2度目の徳山では予選突破を果たし、これから飛躍と思われたが、現状は6期連続A2。それでも、15年後期は初の勝率6点台をキープし、少しずつ前進している。今回の地区選で、初めて地元G1の出場にこぎつけた。地道に蓄えた実力を大舞台で発揮する。

 川下 昨年の後半はいいエンジンを引けたのもあって、A1の勝負駆けまでいけた。でも、最後は実績のないエンジンを引いて駄目でした。(新鋭王座以外の)G1は初めてで、そんなに軽いところではないと分かっているけど、まずは頭(1着)を取りたい。そして、準優に乗りたい。

 若手の中でも伸びを付けるペラ調整のうまさに定評がある。道中のコーナーワークもそつがない。しかし、デビューから現在までを振り返ると、後悔の方が勝っているという。

 川下 努力できていなかったと感じます。今になって、もっとやることがたくさんあったと感じる。成績の上がり具合を見ても、そう思います。最近、特にそういう気持ちが強くなった。

 とはいえ、レーサー人生は道半ば。悔しさを晴らす時間は存分に残っている。やまと学校には5回目の試験で合格。もし、合格していなかったら、他の道は思いつかなかったと振り返る。それほど、好きで入った世界。もっと努力しなければ…。最近は体幹を鍛えるための筋トレも欠かさない。

 川下 市川(哲也)さんや正木(聖賢)さんには、かなりアドバイスをもらっている。引退した田中(寛)さんもそうです。この人たちがいなければ、今の自分はない。また、2年ぐらい前からジムに行って、トレーナーにいろいろ教えてもらっています。いい成績を残して、もっと稼いで、恩返しをしたいです。

 感謝の気持ちを結果につなげられるかどうか、それはすべて、今後の頑張り次第。初の地元G1を飛躍のきっかけにするか。

 ◆川下晃司(かわしも・こうじ)1984年(昭59)7月20日、山口県生まれ。父親に連れて来てもらった宮島ボートで、「格好いい」と選手に憧れ、5度目の試験でやまと学校に合格。98期生として、06年5月に徳山でデビュー。06年6月の宮島で初勝利。近況好調で待望の初優勝も目前。好きな食べ物はすし。163センチ、52キロ。血液型O。