佐藤摩弥(24=川口)が女子レーサーとして初めてグレードレースを制した。抜群のスタートで先頭に立ち、スピード感たっぷりの走りで通算3度目のVを決めた。

 ナイター照明に照らされて、真っ赤な勝負服のゼッケン3番が躍動する。MVP男の中村雅人、タイトル量産中の青山周平らを引き連れて、快速で疾走した。スタンドから「まやちゃ~ん」の絶叫がおこる。後続を完封してのVに「うれしいのひと言。消音なので皆さんの声が聞こえた」。

 ファンにはこたえられない8周回。「残り2周が長かった。呼吸するだけで精いっぱい」。11年にデビューして5年。これまで44年ぶりの女子レーサーとして、オート界をけん引してきた。「あっという間でした。次はG1、SGを狙います」。

 消音マフラーで行われた初のグレードレースで、名前を刻んだ。武器とする速攻での優勝は、間違いなく自信になる。まやちゃんスマイルがまた見たい。【天野保彦】