守沢太志(30=秋田)が14年9月岐阜以来、2度目のG3決勝進出で、うれしい初優勝を飾った。一瞬のチャンスを見逃さなかった。目標の新田祐大が2角7番手から猛スピードでまくり上げた。守沢は新田の踏み出しにやや離れ気味だったが、新田に合わせるように村上義弘も踏み込んだため、2センターで守沢の前にぽっかりとコースが空いた。そこを全速で突っ込んだ。「新田に離れて、それで苦し紛れに内に行ったんです。まさかあんなにコースが空くとは…。実感? 全然ないですよ。穴を出してすいません」と恐縮しきりだった。

 今回が初連係の新田には「2走ともしっかり付いていけなかった」とレベルの差を実感した。「優勝は運がよかっただけ。次に新田と走る機会があれば、しっかり付いていけるように鍛え直したい」。G3初Vの喜び以上に、もっと上を目指そうという強い意欲がわき上がってきたのが大きな収穫だった。【井上和久】