木村武之(38=浜松)が圧倒的な強さで優勝した。3周1角で先頭に立つと、ゴールまで独走。昨年3月のプレミアムカップ以来、約1年4カ月ぶりのG1制覇を果たした。グレードレースは27回目のV。節目の40回大会を制し、次のターゲットはSG優勝だ。

 カクテル光線に照らされて、オレンジのユニホームが力強く加速する。3周1角、木村がマシンを内に導く。牧野貴博をさばいて先頭を奪うと、後続を寄せ付けない。ゴールまで6周は、ひたすら独走。激しい2、3着争いを尻目に、悠々と優勝ゴールに飛び込んだ。

 自信を持ってG1舞台に乗り込んだ。前節の浜松を完全優勝。「エンジンは抜群。前節から安定していた」と振り返る。雨の初日こそ4着だったが、その後は2日目2着、3日目準々決勝1着、4日目準決1着。3日目にはドドドや跳ねもなくなり、機力はアップした。あとは自信を持って乗るだけだった。

 他選手が苦しんだ消音マフラーにもスムーズに対応した。「まだつかみ切れていない」と謙遜するものの、スタートは回転を上げ気味にした。準決までと同様に「スタートは行くしかない」と強い気持ちで踏み込んだ。

 久々の美酒。それでも、現状に満足してはいない。8月10日からのSGオートレースグランプリが、次のターゲットだ。「優勝を重ねられるように頑張る」。13年日本選手権以来のSG優勝に向け、同じナイター舞台が待っている。【天野保彦】

 ◆木村武之(きむら・たけし)1977年(昭52)8月6日、千葉県生まれ。浜松所属の26期生。S級13位。SG優勝はオートGP(09年)、日本選手権(09、13年)。通算優勝66回。1着762回。趣味はマリンスポーツ、ゴルフ。168センチ、50キロ。血液型O。