日刊スポーツ新聞社制定「第31回ボートレース年間三賞」の各賞が決まった。SG2冠で石野に迫った瓜生正義(40=福岡)が技能賞を獲得。表彰式は2月8日に東京・品川プリンスホテルで行われる。

 瓜生正義は、悲願だったグランプリを12回目のチャレンジで初制覇。SG通算9冠は歴代6位タイ。10月には福岡ダービーを制し、福岡SG、ダービーとも3度目の優勝を果たした。G1も桐生、からつの周年で優勝し、16年を振り返ると順風満帆ともいえる成績だ。

 「いや、そんなことはありません。山あり谷ありで浮き沈みがありました。考えることもいろいろあった」と打ち明ける。それを信条でもある目の前のレースに集中して、1つ1つを克服。最後はボート界の頂点に立ってみせた。

 2億円レーサーの実感も、まだない。それより瓜生の心を揺さぶったのはGPの表彰式。真ん中に立つ瓜生に石野貴之、菊地孝平が手をさしのべた。がっちりと握手をした瞬間、「最高の場所に立っている」とライバルの祝福に感激。「来年もこの場にいたい。グランプリ出場へ1歩ずつ前に進みたいし、選手でいる以上は、この姿勢を貫きたい」と思いを新たにした。

 自らを「大器晩成型」と評する。まだまだ進化は止まらない。「もっと精進してファンの期待に応えたい」と誓う。17年も瓜生から目が離せない。(データは日本モーターボート競走会提供)

 ◆瓜生正義(うりゅう・まさよし)1976年(昭51)3月5日、福岡県生まれ。76期として95年5月、若松でデビュー。3走目で初勝利。96年12月平和島で初優勝。SGは07年住之江オールスターで初V。16年12月にグランプリを初制覇してSG通算9回優勝。159センチ、51キロ、血液型A。

 ◆技能賞 瓜生は石野と並びSGを年間2タイトル獲得。特に昨年後半の活躍は目を見張るもので、グランプリ制覇によって賞金王の座も射止めた。殊勲賞・石野にも比肩する活躍に、もちろん満場一致での技能賞選出が決まった。