日刊スポーツ新聞社制定「第31回ボートレース年間三賞」の各賞が決まった。1、2着の連対数トップの敢闘賞は渡辺浩司(33=福岡)が受賞した。表彰式は2月8日に東京・品川プリンスホテルで行われる。

 2016年、渡辺浩司は自己新を重ねた。年間125勝で最多勝を飾るとともに優勝は8回を数えた。

 「内容も含めて選手として満足のいく1年でした」

 表情にも充実感を漂わせる。結果を積み重ねたおかげで、ダービー、グランプリシリーズの2回のSG出場を果たした。特に「16年の目標の1つだった」という、地元福岡でのダービーに出場したのは大きかった。10月以降、最多勝への意識は強くなった。

 「徳増(秀樹)さんと争っての相乗効果はあったと思う。『1着を取るぞ』というプレッシャーはあったが、攻めの気持ちでうまくいった」

 年末の「きつい」3カ月を乗り越えて、技術的にも精神的にも自信を身につけた。タフになった分、17年は希望に満ちている。昨年末、グランプリシリーズに参戦し、目の前で見たグランプリ18人の走りに、体の中に熱くなるものを感じ取っていた。

 「年末はこの舞台で走りたい。それが目標になってきた」

 今後はG1、SG戦線での走りが多くなる。125勝で学んだ「1走1走の大切さ」を忘れることなく、これまで培ったものを17年に発揮していく。(データは日本モーターボート競走会提供)

 ◆渡辺浩司(わたなべ・こうじ)1983年(昭58)11月13日、大分県生まれ。93期生として03年11月の福岡でデビュー。初優勝は09年3月の鳴門タイトル戦。同期に長田頼宗、馬場貴也らがいる。弟はボート選手の渡辺崇。167センチ、51キロ。血液型A。

 ◆敢闘賞 1着、2着の総数で争われ、ファンの舟券への貢献度の高さが評価される。11月末にトップだった渡辺は12月に入ってもその勢いは衰えず、G1福岡周年で3勝、三国一般戦を7戦5勝2着1回で優勝。追う石川真二はF休みに入り、敢闘賞を決定づけた。