平原康多(34=埼玉)が完全Vで通算16度目のG3制覇を地元で飾った。底力を見せつけた。最終ホームで「意外だった」稲垣裕之の追い上げで番手の西川親幸に外から押し込まれたが、しのいで目標の長島大介を追走。バックで稲垣が長島の外並走からまくると、平原も後方からまくってきた小埜正義に合わせて仕掛けた。2センターで先まくりの稲垣と接触。「スピードが死んでしまったが、力以上のものが出た」と、見事に立て直して直線をフル加速。「牛山(貴広)さんが1着で2着だと思った」と、激戦を振り返った。

 昨年のG3制覇は7月の小松島だけで苦闘を続けたが、今年は2場所目で通算6度目の大宮G3優勝だ。「いいスタートが切れた」。昨年は初日失格に終わった2月のG1全日本選抜へ追い風を得た。【大上悟】