日刊MVPに鈴木圭一郎(22=浜松)が輝いた。日刊スポーツ新聞社制定「第29回オートレース年間三賞」の選考委員会が18日に行われ、16年の殊勲賞にSG優勝3回の鈴木を選出した。敢闘賞はSG優勝1回で年間最多勝の青山周平(32=伊勢崎)、技能賞はSG優勝2回の中村雅人(35=川口)に決まった。受賞3選手とも旧船橋勢。表彰式は2月28日に東京・品川プリンスホテルで行われる。

 青山周平の歴史は、15年のSS王座決定戦で変わった。SG初優勝。一皮むけたことが活躍につながった。「あのレースで自信がついたし、シリーズ5日間をトータルでとらえる調整、レースができるようになった」と実感を込める。

 ロードレーサーから転身。デビュー12連勝、SG最短優出、史上最速S級入りなど、さまざまな記録を打ち立てた。だが、SG優勝は遠かった。「SGを取りたいと思う気持ちが強すぎて、空回りする部分があった。ある意味、開き直りに似た心境が好結果につながった」。初V後の快進撃は、自然の成り行きだ。

 16年はSG6大会のすべてで優出し、オールスターを制覇。全日本選抜(川口)、SS王座決定戦では、日刊MVPを受賞した鈴木圭一郎と、名勝負を演じた。ベストバウトがあれば、指名するファンは多い。

 年頭の目標には最多勝を挙げていた。「青山なら車券を買っていて安心」とファンに信頼される選手になりたいからだ。12月28日にSS王座トライアルで84勝目をマーク。昨年、中村雅人が記録した年間最多勝記録に並ぶと、さらに2勝を挙げて86勝。記録ハンターの鈴木圭一郎に2勝差をつけて、見事に目標達成した。

 昨年10月からはS級1位となり、選手400人の頂点に立った。14年前期に続く返り咲き。NO・1勝負服を身にまとい、今年もオート界をけん引する。

 ◆青山周平(あおやま・しゅうへい)1984年(昭59)12月5日、千葉県生まれ。11年デビュー。昨年4月に船橋から伊勢崎に移籍。S級1位。SG優勝は15年SS王座決定戦、16年オールスターの2回。デビューから12連勝し史上初無敗&最短で初優勝。家族は妻と子供3人。趣味は映画観賞、公営競技観戦。163センチ、54キロ。血液型O。