デビュー17年目の阿部剛士(38=川口)が、G1初優勝を果たした。4周1角で逃げる岩沼靖郎をさばき、しっかりと粘り切った。

 先頭に立ってからが長い。ゴールまで5周。「必死でした。長かった~」。11年日刊スポーツキューポラ杯以来、G1では2度目の優勝戦。目の前にある栄光が、なかなか近づいてこない。愛車は最高の仕上がり。抜群の動きを信じ懸命にハンドルを握った。

 「エンジンは完璧。タイヤもすごく良かった」。エンジンは選手になって初めてと言える手応え。ドドドがないことを確認してつけたタイヤも、期待に応えてくれた。グレードレースも初優勝。「何とか優勝出来ました」のセリフに実感がこもる。

 パフォーマーで知られる。川口市のイベントではセーラー服のコスプレで登場。選手紹介では「ガオ~」「ヤーッ」と雄たけびを上げる。「次はSG目指して頑張ります」。新ヒーローは表彰式が終わると、「かっわぐち!かっわぐち!」のコールの中を満面の笑みで引き揚げた。【天野保彦】