競輪を統括するJKAの16年優秀選手表彰式が22日、都内のホテルで約650人の関係者、ファンを集めて行われた。最優秀選手賞はKEIRINグランプリ(GP)制覇した村上義弘(42=京都)、ガールズ最優秀選手賞は梶田舞(30=栃木)がともに初受賞した。

 GP、日本選手権(ダービー)と輪界の頂点を極めても村上は新たなステップを見据えていた。3月日本選手権と12月GPの間に行われた、5度のG1は無冠に終わった。「ダービーを優勝して最後にGPも優勝することが出来た。だが全体として自分の納得のいく1年ではなかった」と語った。

 4年ぶり2度目のGP王座、そしてMVP獲得も通過点にすぎない。今年は走り始めの1月和歌山G3と2月奈良G3は決勝で6、4着。G1開幕戦の取手全日本選抜も準決敗退に終わり、頂点を逸し続けている。村上の表情には喜びと同時に緊張感が漂う。

 それでも盛大な式典直後には照れ笑いを浮かべた。「こんな晴れがましい舞台は苦手なんですよ。この賞の名に恥じないように頑張るだけ」。MVPの証しであるチャンピオンブレザーに誓った。来年も同じ舞台でまとうことを。【大上悟】