日本競輪学校(滝沢正光校長)の第111期生(男子61人)、第112期生(女子17人)の卒業記念レース最終日が23日、静岡競輪場で開催された。女子は在校3位の梅川風子(26=東京)が果敢な先行勝負で逃げ切って激闘を制した。今日24日に卒業式が行われる。5月1日に選手登録して7月からプロデビューする。

 6代目の卒記女王・梅川は、スケールの大きな競走で記録も記憶にも残るレースをやってのけた。予選後の車番抽選で1番車を引き当てた。「その時にSを取っての突っ張りを決めた」。前受けから打鐘で吉村早耶香が上昇すると1度は番手に入った。しかし打鐘4角から踏み込んで先行勝負にでた。「タイミングは早かったし、最後までとても持たないと思った。でも、先行すると決めていた。それでなら負けてもいいと思った」。強い信念で踏み続けた。完全Vを狙う大久保花梨らを振り切って、鮮やかな先行劇場だ。

 過去の女王は初代の加瀬加奈子から5代連続で4戦全勝だったが、系譜は変わった。結果よりも価値ある競走にこだわって伝統を塗り替えた。連勝から予選3回戦で4着に沈んだが「後輩たちも1着だけにこだわらなくても優勝できるということが分かったと思う(笑い)」。

 先行日本一の奥井迪と先行勝負するのが第一の目標だが、「自分のスタイルを変えるつもりはない。20年の東京五輪は考えていない。ガールズケイリン一本」。スピードスケートから転向した身長158・9センチと小さな女王が、プロの大舞台でも大きな仕事をやってのける。【大上悟】