【天野保彦・オレに任せろ】

 「記録ハンター」がまた1つ大きな勲章を加える。「オレに任せろ」の天野保彦は、優勝戦の本命に鈴木圭一郎(23=浜松)を推す。4日目準決12Rは2着止まりだが、「エンジンは今節1番」と完調宣言が出た。10周回は大歓迎。5大会連続SG優勝、グランドスラム達成の条件は整った。対抗には今年絶好調の永井大介を指名する。

 鈴木圭一郎がようやく答えを出した。準決12R。「3日目までは優勝戦に乗れないと思った」と振り返るエンジンが、力強い音を響かせている。超抜マシンの三浦康平をとらえることはできなかったが、今節ではもっとも明るい表情で「オールスターのヘッドに換えて正解。エンジンは悪くない」と手応えを語った。

 今節はエンジンの調整に苦労した。パーツ交換は毎日。シリンダーを換えて初日に臨み、初日後に再びシリンダーを交換、2日目後にケース、3日目後にヘッドを換えた。「なかなか変わらない」と嘆いていたが、準決後には「もう何もやらない」。納得できるレベルに仕上がった。湿走路には「吉原君に聞きます」とジョークが出るほどで、十分に克服可能だ。

 課題はタイヤ。「いいのを探したい」。バイクの申し子が、練習で入念に確かめて、しっかり答えを出すとみる。

 ダブルグランドスラマー永井大介が、大きな壁になる。準決9Rは0メートルオープンの7枠から好スタートを決めて3番手を奪取。逃げる早川清太郎をさばくと、そのまま押し切った。「エンジンは今節1番」と手応え十分だ。昨年は船橋支部長として、廃止関連の業務で多忙を極めたが、今年は解放された。2月には結婚して選手に専念できる状況になっている。エンジンが良ければ、雨は苦にしない。湿走路に強い荒尾聡、高橋貢を穴候補に推奨する。(6)-(1)(3)(2)-(1)(3)(2)が本線。(1)-(6)-(3)(2)が面白い。