桐生順平がイン完勝で6度目のG1制覇を飾った。節間を通して強かった追い風が、優勝戦は3メートルまで弱まった。その分、思い切って、スタートを踏み込んだ。タイミングはコンマ08。しかも、全速。この時点でほぼ勝負は決していた。1Mは寺田祥がツケマイで攻めてきたが、冷静に受け止め、まくり差した木下翔太もバックで振り切り、そのまま独走した。

 5日目までは水面が悪く、気配をつかみかねていた。しかし、最終日は違った。試運転から手応えは十分だった。「体感が良かった。いい仕上がりになっていました。エンジンが連れていってくれた」と19号機への信頼が心の余裕を生んでいた。さあ、次はSGグランプリだ。「いい流れができたので、この流れで突っ走っていきたい」。4年連続出場となる最高峰決戦。今年こそは黄金のヘルメットを持ち帰る。【東和弘】