日刊スポーツ新聞社制定「第32回ボートレース年間三賞」は、各賞の4人いずれも初受賞というフレッシュな顔触れに決まった。1、2着の連対数トップに贈られる敢闘賞は吉川昭男(44=滋賀)が三賞初受賞。表彰式は2月22日に東京・品川プリンスホテルで行われる。

 敢闘賞は、最終的にわずか2ポイント差と激しい争いの末、決着した。男気あふれる吉川昭男が気迫のタイトル獲得。2位の永田啓二と3ポイント差で年末の尼崎一般戦に登場。一方、永田もまったく同じ日程で福岡一般戦に出走していた。ともに一進一退の攻防を繰り広げて、迎えた5日目。吉川は2ポイントに差を縮められて準優勝戦に出走。5号艇と不利な枠番だったが、3コースを主張。こん身のまくり差しを決めて、見事に敢闘賞の栄誉に輝いた。「こういう賞があると分かってから意識して走りました。魂がこもっていたね」と、してやったりの表情を見せた。

 昨年は124勝を挙げて、業界の年間最多勝タイトルとのダブル受賞となった。「事故やけがなく過ごすことができたのは大きいですね。なかなか年間300以上も走ることはできませんから」。出走回数は実に315走。地道に走り抜いた積み重ねが結果につながった。「多く走らせてもらって、気が付いたことがありました。エンジン、ペラも統一されて、調整の方向性がある程度一定なんです。休まずに1年間ペラを調整することができて、早く仕上げられるようになった」と喜んだ。

 ◆吉川昭男(よしかわ・あきお)1973年(昭48)1月29日、滋賀県生まれ。92年5月に70期生としてびわこでデビュー。いきなり連勝を決めて周囲を驚かせた。97年徳山タイトル戦でデビュー初優勝。通算優勝は47回。167センチ、53キロ、血液型A。