日刊スポーツ新聞社制定「第31回競輪年間三賞」が決定した。技能賞は渡辺一成(34=福島)が初受賞となった。表彰式は2月14日、東京・品川プリンスホテルで行われる。

 技能賞で三賞初受賞となった渡辺一成は「選手になって16年目で、初めていただける賞。大変ありがたいです」と語った。17年は新田祐大との連係でG1・2冠。中でも、地元いわき平ではオールスター初優勝を成し遂げた。東日本大震災と原発事故で故郷の双葉町が被災。福島ワンツーは被災者に夢と勇気を与えた。

 17年は自己ベストの結果を残した。「2つのG1を取れたけど、新田君の強さが際立った1年だったと思います」と僚友に感謝する。だが現状に満足はしていない。「僕はまだ自力でやっていきたいし新田の後ろの時だけ、と言われないように。自力でG1を取りたい」と決意を口にした。

 東京五輪を目指し、今年も自転車競技との両立の日々を送る。「今年は去年以上に競輪を走れないと思う。だからこそ、より頑張らないといけない」。世界と戦う34歳は国内外で結果を出し続ける。

 ◆渡辺一成(わたなべ・かずなり)1983年(昭58)8月12日、福島県双葉町生まれ。小高工卒。88期生として03年7月京王閣でデビュー。北京、ロンドン、リオデジャネイロの五輪3大会連続出場。オールスターを含むG1優勝3回。通算819戦232勝。通算獲得賞金4億9949万5900円。176センチ、80キロ。血液型A。