ランク1位の鈴木圭一郎(23=浜松)が2年連続で日刊MVPに輝いた。日刊スポーツ新聞社制定「第30回オートレース年間三賞」の選考委員会が17日行われ、2017年の殊勲賞にSG優勝2回の鈴木を選出した。表彰式は2月27日に東京・品川プリンスホテルで行われる。

 殊勲賞受賞を知らされた鈴木圭一郎は、「1年を通じた活躍が評価されたのは、本当にうれしい」と喜んだ。SGを筆頭としたグレード戦はもちろん、一般開催でも1着を1つでも多く取り、車券の対象になるのが目標。「圭一郎を買えば安心、と言われる選手になりたい」がモットーだ。

 17年もオートレース界をけん引した。初優勝は4月中旬と遅かったが、これをきっかけに年末に向けて一気に加速した。「流れが悪かっただけで、焦りはなかった」と振り返る。オールスターで史上初のSG4大会連続優勝の快挙を達成、日本選手権では連覇を決めた。「今年も圭一郎イヤーにしたい」と公言した約束を、鮮やかに実現した。

 「まずまず安定していたし、年間で連に絡めた」と17年を総括する。数字を見れば、レベルアップは明らかだ。16年と比較すると、単勝率57・1%→59・1%、複勝率83・7%→89・8%。10走すれば9走で車券に貢献した。派手なSG優勝だけでなく、自らのモットーを確実にレースに反映させている。

 17年表彰の対象外だが、18年のSG第1弾、10日に優勝戦が行われた全日本選抜を圧勝劇で制した。その前の大みそか決戦、SS王座決定戦は3着。湿走路での戦いでの敗戦は、悔しく情けなかった。「雨でも晴れでも圭一郎、と呼ばれる選手になりたい」と公言。同期の雨巧者、吉原恭佑の乗り方などを研究し、すぐに答えを出した。

 「一昨年より昨年、昨年より今年。オートレースが年々、好きになっている。いいレースをどんどん、していきたい」。雨を克服した18年。「ニュー圭一郎」が、17年を超える活躍を見せてくれる。【天野保彦】

 ◆鈴木圭一郎(すずき・けいいちろう)1994年(平6)11月30日、東京都生まれ。13年デビューの32期。数々の記録を樹立し「記録ハンター」と呼ばれる。グレード戦の優勝はSGが6回、G1が5回。17年の前、後期とランク1位。7歳からポケバイに乗り始め、10歳で整備を始める。都内の自宅で両親と3人暮らし。趣味はオートレース。整備好きで、「ロッカーで寝泊まりしたい」と真顔で言う。