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インパクト史上2頭目無敗3冠!

菊花賞を制し、21年ぶりの3冠を達成したディープインパクト。武豊騎手はファンの声援にガッツポーズで応えた(撮影・酒井清司)
菊花賞を制し、21年ぶりの3冠を達成したディープインパクト。武豊騎手はファンの声援にガッツポーズで応えた(撮影・酒井清司)
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<菊花賞>◇2005年10月23日=京都◇G1◇芝3000メートル◇3歳◇出走16頭

 日本競馬史上に残る名馬が誕生した。武豊騎手(36=フリー)が騎乗したディープインパクト(牡3、栗東・池江泰郎)が7戦7勝で菊花賞を制し、84年シンボリルドルフ以来、史上2頭目の無敗の3冠馬に輝いた。単勝支持率は79・03%、配当金100円元返しと圧倒的な1番人気に応えた。陣営は次走について明言を避けたが、11月27日東京のジャパンC(G1、芝2400メートル)か12月25日中山の有馬記念(G1、芝2500メートル)が有力だ。

 歴史を刻むゴールまであと550メートル。最終4コーナー手前で武豊が手綱をしごくと、ディープインパクトの闘志に火がついた。4コーナーを先頭で走ったアドマイヤジャパンは10馬身も前を行く。さあ404メートルの直線だ。武は右ムチを何発も打ち込む。来た! 来た! 来た! あっという間にジャパンに並び突き放す。ゴールへの残り50メートルは栄光への一人旅。2馬身差をつけて飛び込んだ。シンボリルドルフ以来、21年ぶりの無敗の3冠を達成した。

 極度の緊張から武にガッツポーズはなかった。13万人のスタンディングオベーションが迎えたスタンドの前に戻って、ようやく両手を挙げた。表彰式では3冠を誇示する3本指を掲げた。「感無量です。ホッとしました。負けられないレースだった」。まだ顔は青ざめ声は震えていた。

 3000メートルの長丁場。大歓声を浴びるスタンド前の直線を2度走る。「細心の注意を払っていた」(武)が、インパクトは行きたがり引っ掛かった。1周目のゴール地点をゴールと勘違いしスパートしかけた。苦手なスタートを五分にこなし道中は6番手。後方から一気に追い込んだ過去6戦とは、すべてが違う競馬にスタンドはどよめいた。「かなり力んで前半にロスがあった。いつもの感じではなかった。『とにかくゆっくり行ってくれ』と祈った」。スタンド前の直線で内ラチ沿いにポジションを取り、ほかの馬の後ろにつけ落ち着かせた。2コーナーまで引っ掛かる大きなロスをものともせず、上がり3ハロン(600メートル)は33秒3の最速タイム。異次元の末脚が強さを一層際立たせた。

 武にとってこの勝利がJRAのG1・50勝目。区切りのメモリアルVとなったが、これまで獲得したどのG1よりも重いものだった。過去にない想像を絶するプレッシャーを経験した。「周りは『勝つだろう』『どういう勝ち方をするのか』という感じだった」と胸の内を明かした。検量室前に戻りクラを外し、金子オーナー、池江泰郎師と握手を交わした。笑顔はなく口元に力を込め、込み上げるものを押さえた。ゴーグルの下に隠れた瞳は潤んでいた。

 小学校の卒業文集には「騎手・武豊にこうご期待」と書いた。乗馬を始めたばかりの少年は自分の進むべき道を決めていた。21年前の菊花賞時はまだ競馬学校の一生徒。京都競馬場を訪れ、ルドルフの圧倒的な強さにしびれた。「いつかは自分もこんな馬に乗ってみたい」。ぼんやりと描いた夢は、36歳で現実になった。どのタイトルよりも待ち望んだ3冠という勲章。陣営は明らかにしなかったが、次走はジャパンCか有馬記念に向かう。歴戦の古馬が相手になっても、武とインパクトが衝撃を与え続ける。【高橋悟史】

[2005年10月24日 紙面から]

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