ディープインパクト初の海外レース・凱旋門賞特集
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武インパクトV!風斬った
<阪神大賞典>◇2006年3月19日=阪神◇G2◇芝3000メートル◇4歳上◇出走9頭
インパクトはもう負けない! 06年の始動戦に挑んだディープインパクト(牡4、栗東・池江泰郎)は、2着に3馬身半差をつける圧勝劇で復活を高らかに宣言した。3コーナーから加速すると先行勢を一気にのみ込み、ゴール前は武豊騎手(37)が手綱を押さえる余裕を見せた。初めてとなるやや重の馬場、吹きつける強烈な六甲おろしをものともせず、健在ぶりを示した。この後は4月30日京都の天皇賞・春(G1、芝3200メートル)へ向かう。
ディープインパクトの豪脚が強風を切り裂いた。3角マクリから4角で早くも先頭に立つと、直線は世界制覇へ“見えない敵”と戦っていた。この日の阪神競馬場は西北西の強い風が吹きつけ、ホームストレッチは向かい風。レース終盤を迎えた午後3時40分すぎには約8メートルの風速を記録していた。武豊が「どの馬もそうだけど、かなりきつい条件」と振り返るように、スタミナ切れを起こす馬が続出。ライバル視されたインティライミ、デルタブルースも、直線の坂で完全に脚が止まった。
そんな悪条件の中“平成の天馬”だけは、馬なりで坂を駆け上がってきた。しかも、何度もターフビジョンを見る余裕。最後は手綱を押さえてフィニッシュした。上がり3ハロンは36秒8。数字だけ見れば平凡にも思えるが、強風に加えて「やや重」のコンディション。2番目に速いトウカイトリックが(上がり)38秒1だから、いかにすごい脚を使ったかが分かる。道中の位置取りから着順を上げたのは、インパクトを除けば最後方を進んだハイフレンドトライだけ。空飛ぶ走りは、強風、道悪という「敵」も吹き飛ばした。
有馬記念の敗戦は遠い過去のものだ。ライバルに決定的な差をつけての圧勝劇。「最後の直線はやっぱり気持ちよかったですね。いい形で06年のスタートを切れたし、あらためてこの馬の強さを見せつけられた」。想像以上の内容に武豊の声も弾んだ。
タフな条件を克服したことで、勝利以上の収穫があった。「ヨーロッパの馬場を考えれば、やや重で勝ったのは大きいね」。欧州の芝は力のいる馬場になる可能性が高い。夢が広がる1戦に、武豊と池江泰郎師は口をそろえた。この後は予定通りに天皇賞(春)へ向かう。夏の海外遠征など期待は膨らむが「まずは天皇賞」とトレーナーは、1歩ずつ前進することを誓った。
武豊はドバイ遠征が控えている。インパクトと同じ金子オーナーの所有馬カネヒキリなどで挑む世界一決定戦。「来週はこの勝負服を持って行こうかな」。日本の競馬をけん引する男は、世界との対戦に目を輝かせた。天皇賞の先には武豊-インパクトのコンビにとって、夢の舞台が待っている。【高橋悟史】
[2006年3月20日 紙面から]
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