ディープインパクト初の海外レース・凱旋門賞特集
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インパクト5冠!凱旋門賞王手
<宝塚記念>◇25日=京都◇G1◇芝2200メートル◇3歳上◇出走13頭
水分を含んだ重い馬場をものともせずに、ディープインパクト(牡4、栗東・池江泰郎)が圧勝劇を披露した。2着に4馬身をつけ、10月1日の凱旋門賞(仏G1、芝2400メートル、ロンシャン競馬場)に向けて大きく弾みをつけた。2着にはナリタセンチュリー、3着にはバランスオブゲームが入った。
勝つことを義務づけられた一戦で、日本の至宝が輝いた。3コーナーすぎの坂を下り終え、武豊騎手は残り700メートルで満たされたパワーを解き放つ。手綱を緩められたディープインパクトは、闘争心を一気に爆発させた。「走りたいというそぶりをしたので、ゴーサインを出した。『もういいよ』という感じで。直線は気持ちが良かったですね。また飛んでくれました」。武は10度目の至福の時間を過ごした。逃げたバランスオブゲームを直線半ばでとらえると、あとは引き離すだけ。後方の蹄(てい)音が遠ざかり、聞こえなくなったところが栄光のゴールだった。馬場の大外を駆け抜け、力でねじ伏せようとするインパクトを、8万人の歓呼の風が祝福した。
この日の単勝支持率は75・2%。61年シーザーが記録した72・4%を上回る、宝塚記念の史上最高を記録した。凱旋門賞への参戦を控え「勝って当たり前」という評価。プレッシャーが掛かる中での壮行レースだった。「とりあえずはホッとしている。ここを目標にしてきたわけだし、最高の形でクリアできた」。武の笑顔の中に、来たるべき決戦へ向けての決意がにじみ出ていた。
この日の勝利で、目標は凱旋門賞に絞られた。世界の強豪が集う、競馬のワールドカップ。重い馬場をものともせずに勝ち切ったことはプラスになる。武は「ドロドロになっても苦にしていない。秋のフランスの馬場状態は分からないし、考えても仕方ない」と機先を制した。だが、日本代表として誇りを持って決戦に向かうことは間違いない。「ディープに乗せてもらって感謝している。この馬で行かなければ、どの馬で行くのかという感じ。ここまで来たら、ディープがもっと大きなところを望んでいるのかもしれない。どうすれば最も力を発揮できるのかを考えたい」。
誰よりも世界の競馬を知り、誰よりも厳しさを体感し、誰よりも世界制覇を願う武は言った。「準備をしっかりして、期待に応えたい」。シンプルな言葉に思いを凝縮させた。曇り空の上に広がる青空は、ロンシャンにつながっている。10月1日、日本の至宝がフランスで放つ輝きは、世界一まばゆいものになる。【高橋悟史】
[2006年6月26日 紙面から]
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