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インパクト2冠!武豊感動
<ダービー>◇2005年5月29日=東京◇G1◇芝2400メートル◇3歳◇出走18頭
歴史的名馬が誕生した。競馬の祭典・第72回日本ダービー(G1、芝2400メートル)は、単勝支持率73・4%と過去最高のディープインパクト(牡3、栗東・池江泰郎)が、豪快に駆け抜け圧勝。史上6頭目の無敗の2冠馬に輝いた。騎乗した武豊騎手(36=フリー)は史上最多のダービー4勝目を挙げ、管理する池江泰郎師(64)は初のダービー制覇。“平成の天馬”は10月23日京都の菊花賞で、シンボリルドルフ以来史上2頭目の無敗の3冠馬を目指す。
ゴール板を過ぎる前、武豊はすでに右の拳に力を込めていた。勝利を確信した歓喜のガッツポーズだ。ゴール板を過ぎた直後、14万人で埋め尽くされたスタンドからは期せずして「ユタカコール」が巻き起こった。何度も拳を振り上げファンに応える。衝撃的な強さで2冠を達成した、ディープインパクトをなでてねぎらう。「感動しています。この馬の強さに」。ユタカは数々の名馬の手綱を取り、記録を塗り替えてきた。そんな名手も乗るたびに進化するインパクトにしびれ、第一声は震えていた。前人未到のダービー4勝目を挙げたことさえ忘れていた。底知れぬ強さに心底ほれていた。
スタートで立ち遅れたため、無理せず後方から進めた。だが、リズムを崩さずに勝負の瞬間へ感覚を研ぎ澄ませた。3コーナーすぎから位置を押し上げると、すっーと前団へ。大外に進路を取って左ムチを打ち込むと、インパクトはスパークした。直線だけで前を行く12頭をごぼう抜き。最後に最内をひた走るインティライミを残り150メートルで抜き去ると、後は完全な一人旅。1完歩ごとに差を広げ、5馬身もの差をつけた。強い。次元が違う。また空を飛んだ。「好きなだけ走れる直線で喜んで走っていた」と笑った。
直後の表彰式、馬上で右の人さし指と中指を2本、天に向かって突き上げ2冠を表現した。84年シンボリルドルフで岡部幸雄元騎手がしたポーズを意識していた。「まねしてすいません」。レース回顧のイベントで、横に座る岡部氏に笑みを浮かべて話しかけた。歴史に残る名馬、最強馬に乗る人間だけに許された特別な儀式だった。
21年前、ユタカは競馬学校の1年生の時、15歳で初めて東京競馬場でダービーを見た。その時に勝ったのが岡部氏とルドルフのコンビだった。「いつかは自分も」と強く決意した。今年3月に引退した岡部氏が、ルドルフで3冠を達成したのは36歳の時。同じ年齢でユタカも歴史的名馬に出会った。日本の競馬をけん引してきた2人の間には運命的な何かがある。少年が描いた夢が現実になりつつある。「何よりもボクが3冠馬誕生の瞬間を見てみたい。秋に向かって大きな目標ができました」。きっぱりとした口調に偉業達成への決意と、3冠への確信がにじむ。
昨年12月のデビューからわずか半年で8966頭の頂点を極めた。どこまで強くなるのか。「過去の馬とは比較したくありません。この馬がすでに名馬なので」。ルドルフ以来史上2頭目の無敗の3冠馬へ-。このコンビなら間違いなくやってのける。【高橋悟史】
[2005年5月30日 紙面から]
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