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ディープインパクト過去のレース記事
インパクト3着…差された
<凱旋門賞>◇1日=ロンシャン◇G1◇芝2400メートル◇3歳上・国際◇出走8頭
【パリ(フランス)1日=中村基也、高橋悟史】日本最強馬の世界制覇はならなかった。凱旋門賞(仏G1、芝2400メートル、ロンシャン競馬場)に挑んだ5冠馬ディープインパクト(牡4、栗東・池江泰郎)は、1番人気に支持されたが首+半馬身差の3着に惜敗。好位キープから積極的にレースを運びながらも、直線で本来の切れ味を発揮することができなかった。優勝はレイルリンク(牡3、フランス)。日本馬7度目の挑戦は、またしても世界の厚い壁に阻まれた。
悲願の勝利まで、栄光の凱旋門賞制覇まで、あと少しだった。日本人応援団の声援がこだまするスタンド前。ディープインパクトの最後の闘志に火がついた。1度はレイルリンクに差されたが、ゴールまで残り100メートル地点で先頭を奪う。武豊騎手の右ステッキが入る。激しいたたき合い。しかし、残り50メートルで力尽きた。レイルリンクに差し返され、後ろから来たプライドにもかわされた。たった首+半馬身差。世界の頂点には、あとわずかで届かなかった。
好スタートから向正面半ばまでは、ハナに立つ勢いで内ラチ沿いを進んだ。いくらか気負うインパクトを折り合わせる武。勝負のポイントは3コーナー手前だった。すでに昨年の覇者ハリケーンランの手応えは悪い。一瞬のスキを見逃さずに外に持ち出すと、相手はシロッコと絞って最後の直線を迎えた。直線入り口では堂々の先頭。しかし、世界は甘くなかった。シロッコを競り落としても、さらに後ろからやってきた。ここまで6頭の日本馬がはね返されてきた壁は、日本最強馬をもってしても破れなかった。
この日、近年の凱旋門賞としては珍しく青空が広がり、インパクトにとって砂が舞うほどの良馬場。しかし、道中の微妙な折り合いが、インパクト特有の豪快なフットワークを奪った。440キロ台の小柄な馬体に、59・5キロも酷量だった。「最高の状態に仕上がった。名刀の切れ味で世界を驚かせたい」と陣営は語っていたが、初の海外遠征、慣れない欧州の芝、2カ月弱の滞在で、少しずつストレスがたまっていったのかもしれない。
武は淡々と検量室に戻ってきた。ペリエ騎手に声を掛けられると、サバサバした表情を見せた。そして、レースを振り返った。「後ろに有力馬が控えたのが分かったので、最初から先行策を考えながら行った。外めに出したかったから、これも予定通り。それなのにギアが上がらなかったし、本来の走りではなかった。敗因については何とも言えないが、勝ちたかった」。
武の凱旋門賞初参戦は94年。ホワイトマズルで6着に敗れ、現地でバッシングに遭った時から夢への挑戦は始まった。「一番勝つことが難しいレースかもしれないが、ディープはそれだけの資格を持っている馬」。しかし、信頼するインパクトをもってしても雪辱はならなかった。4000人を超す日本人応援団が駆けつけ、単勝オッズは断然の1・5倍。それだけに、チーム・インパクトのプレッシャーは想像以上だった。
明日3日、インパクトは帰国の途に着く。次走は12月24日中山の有馬記念(G1、芝2500メートル)出走が有力。巻き返しを期待するしかない。
[2006年10月2日 紙面から]
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