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インパクト余裕!2馬身差6冠

ジャパンCを制したディープインパクトの背に抱きつき喜ぶ武豊騎手
ジャパンCを制したディープインパクトの背に抱きつき喜ぶ武豊騎手
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<ジャパンC>◇26日=東京◇G1◇芝2400メートル◇3歳上◇出走11頭

 やっぱりインパクトは強かった! 凱旋門賞(3着後失格)の雪辱を期したディープインパクト(牡4、栗東・池江泰郎)が、直線で外から豪快に伸びて圧勝。ダービーを勝った思い出の地で、その実力をあらためて見せつけ名誉挽回(ばんかい)を果たした。2着はドリームパスポート、3着はウィジャボード。2番人気のハーツクライは直線で失速し、10着に大敗した。インパクトはこの後、引退レースの有馬記念(G1、芝2500メートル、12月24日=中山)で有終の美を目指す。

 拍手と歓声の風の中、ディープインパクトは重心を沈ませ一気に突き進んだ。過去最大のプレッシャーから解き放たれた武豊騎手はゴールの瞬間、右手を握り締める。ウイニングランでは、12万人が埋め尽くしたスタンドに向けてこぶしを突き上げた。そして、何度も何度もインパクトの首筋をたたき、激走をねぎらった。期せずして沸き起こるユタカコール。これにこたえて、万歳を繰り返した。「フランスでは残念な結果だったし、負けられないと思っていた。この馬の本当の走りができて良かった。気分よく走ってくれたし、いい形で運べた。直線は楽しそうに走っていた」。

 武からのゴーサインは残り700メートルで送られた。最後方に位置していたインパクトが、ジリジリとポジションを上げる。世界一のデットーリ騎手が乗るウィジャボードを視界にとらえ、離陸の機会をうかがった。最終コーナーを回る時には「何よりもうれしかった」(武)声援が、ゴールデンコンビをバックアップ。直線の広大なスペースで、インパクトは小柄な体を思い切り伸ばした。首を投げ出して一刻も早くゴールへ、1センチでも前へと四肢を伸ばす。坂の下で飛び始めた時に、天才は「『よし!』というより『大丈夫!』という感じ」と勝利を確信していた。デットーリは「ウィジャボードは世界一の牝馬だけど、世界一の牡馬に負けたんだから仕方ない」と武を祝福した。

 凱旋門賞からの帰国後、年内での引退発表、禁止薬物の検出と、インパクトを取り巻く環境は一変した。レース前、武は「この一戦に臨むスタッフの気持ちは皆さんにも理解してもらえるはず」と話した。すべてを払しょくするためには、勝つしかなかった。インパクトの力を誇示するしかなかった。「彼らしい走りができるように、乗ることだけを心掛けた」。無心で乗った。ゲート内ではインパクトの首を横に向け、あえて気をそらせた。「じっとしているのが嫌いな馬なので」。細心の注意を払ったスタートで、勝負の大半は決した。苦楽を共にしたパートナーの能力を信じ、あとは楽しむだけだった。

 この後に待つレースは有馬記念ただ1つ。「もう1回だけじゃなく、もっと乗りたい。でも、もう決まっていること。すべてをかけたい」。90年の有馬記念、オグリキャップがラストランを勝利で飾った。その時も、あん上は武。16年の時を経て、再びスーパーホースを栄光へ導く。【高橋悟史】

[2006年11月27日 紙面から]

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