無事是名馬は至言/ダービー日記
<ダービー取材日記>◇17日
木曜の栗東は、調教開始時刻の午前6時ごろに大雨と強風。“嵐”の前触れだったのか、数時間後に、オークスで1番人気が確実だったダイワスカーレットが熱発のため回避となった。
ダービー出走馬とて例外ではないだろう。
“無事これ名馬”
賞金を積み重ね、あるいは出走権を獲得し、順調に当日までコマを進めた馬だけが、世代の頂点を決める一戦に臨める。最も当たり前のようで、それがいちばん難しいのだろうけど…。
雨上がりの午前10時、ドリームジャーニーがいる池江泰寿厩舎を尋ねた。前日16日に1週前追い切りを終えている。騎乗した吉村助手に、改めて感触を確かめておきたかった。
「今まで調教で乗った中でも、一番良かったよ」
大一番を、上昇曲線の頂点で迎えられる馬もなかなかいない。こういうひと言は、来週までちゃんと記憶に残しておかないといけない。
同厩舎は昨年のダービーにもフサイチジャンクを送り出した。テレビ番組で命名され、注目を集めたあの馬だ。が、ジャンクにとってダービーは、自身以外の条件にも左右された一戦だった。その時期、同厩舎の隣接区画では改築工事が行われており、音に敏感なジャンクは早めに美浦入りしての調整だった。当日の馬場コンディションも合わず、大敗(2番人気、11着)した。記者にとっても、◎を打って応援もしたので、苦いレースだった。
無事に順調に、なおかついろんな条件も重ならないと勝利には届かない…。
「ダービーを勝つっていうのは、すごいことなんでしょうね。でも、2年続けてダービーへ馬を送り出せるだけでも、厩舎スタッフとして幸せなんですよ。18頭だけですからね」
吉村助手の笑顔。ダービーはやはり1年でも特別なレースだ。【伊嶋健一郎】
[2007年5月17日20時36分]
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