ウオッカ坂路で軽めも軽快/ダービー

- 四位騎手を背に坂路で追い切られたウオッカ
<ダービー:追い切り>
64年ぶりの牝馬優勝を狙うウオッカ(牝3、栗東・角居)が、坂路で最終調整を終えた。23日は主戦の四位洋文騎手(34)が手綱を取り、800メートル53秒1-12秒2。最後まで馬なりだが、切れのある走りで歴史的勝利へ大きく近づいた。
歴史の扉をこじ開けるのか。「牝馬のディープインパクト」ウオッカが頂点を目指し、坂路コースを一気に駆け上がった。馬上で四位騎手の体勢はぶれることなく、手綱を握るこぶしも微動だにしない。馬の行く気に任せた上で、気持ちがはやり過ぎないように抑えた。人馬を結ぶ手綱を通したコミュニケーションで、万全の仕上がりであることを確認した。計時されたタイムは4ハロン53秒1、ラスト1ハロンは12秒2。首をリズミカルに上下させ、570メートルの距離で20メートルの高さのこう配を、ひと息で走破した。動きを見守った角居勝彦師(43)は「やればもっと時計は出るが、先週の時点で仕上がっているしオーバーワークにならないようにした。最高の仕上がりで出せる」とうなずいた。
1週前追い切りでも四位騎手が手綱を取った。3頭併せで遅れたが、あえて馬体を並べることはしなかった。併走すれば自然とウオッカの闘志に火がつく。調教では走る気持ちを出させず、レースまで温存させればいい。あくまでも最終チェックというだけ。厳しい負荷をかけることだけが目的ではない。「レースはスタートしてから、速くなったり遅くなったりと、よどみがある。いかにそれに対応できるか。四位くんが乗ったら折り合いはつく。普段、助手が乗る時でもいかに折り合えるかがポイントですから」と角居師。
牝馬のダービー挑戦は96年ビワハイジ以来、実に11年ぶり。勝てば43年クリフジ以来、64年ぶりの歴史的快挙となる。トレーナーは「ここまで大きな話題になるとは思わなかった」と笑う。桜花賞で2着に敗れはしたが、阪神JF、エルフィンS、チューリップ賞を楽勝。先週のオークスでは桜花賞1、2着が不在でも2分25秒3のオークスレコードが出た。それだけ、3歳牝馬全体のレベルが高い証拠。牡馬相手でも十分やれる。
ただの挑戦で終わらせるつもりはない。「ウオッカだから参戦するんです。オークスへの未練がなくなるように、最終登録もしませんでしたから」。角居師はきっぱりと語った。力を出し切ることができれば、歴史は塗り替えられる。【高橋悟史】
[2007年5月24日8時41分 紙面から]
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