高橋が地元で涙のSG初V/競艇
<競艇:全日本選手権優勝戦>◇8日=平和島競艇◇SG◇優勝賞金4000万円
地元の高橋勲(39=神奈川)が悲願のSG初優勝を飾った。1号艇の重圧をはねのけ、インからトップスタートの速攻劇で無冠を返上した。これで獲得賞金額は一気に6位へジャンプアップ。初の賞金王決定戦出場を、ほぼ手中にした。
先頭でゴールした瞬間、高橋は天を仰ぎ力強く拳を突き上げた。地元SGで1号艇というプレッシャーをはねのけ、記念タイトル無冠を返上した喜びを派手に表現した。「勝てて良かった。(雨が上がり)夕日が出てたからうれしかった」。地元でただ1人参戦したダービー、期待を一身に背負ったプレッシャーから解放され、ホッとした表情を見せた。
進入では暗雲が立ち込めた。高橋がピット離れで遅れ、鋭く出た田中が先にへさきを向けたが、ターンマーク付近のわずかなすきを突き高橋がインを守った。その直後にエンストし「少し焦った」。しかし、想定外の出来事にも動じることなく、コンマ11のトップスタート。田中の差しを寄せ付けず、インから豪快に押し切った。「今まで大きな舞台で事故しているし、平和島さんにも迷惑を掛けている。それでもSで遅れるわけにはいかない葛藤(かっとう)があった」。自分自身との闘いに打ち勝ち、SG3連覇を狙う魚谷の夢も打ち砕いた。
家族の後押しも大きかった。表彰式後のピットで、長男の虎太郎(こたろう)君(11)、二男・虎支郎(こじろう)君(7)と抱き合った。「とにかく『ありがとう』しか言えない」と涙ぐんだ。珠子夫人(40)も「長男がモトクロスのレースで優勝して年間ポイントが首位に返り咲いたのも、いい方向にいったかも」と、父子の“V”を喜んだ。
「今節のことでいっぱいだった。これからのことはゆっくり考えます」。死闘を戦い抜いた直後で、今後の目標は語らなかったが、これで賞金獲得額は一気に6位に浮上。初の賞金王決定戦出場をほぼ手中に収めた。その開催地・福岡は04年総理杯優勝戦で痛恨のフライング。因縁の地でリベンジを期す。【窪寺伸行】
[2007年10月9日10時41分 紙面から]
