手嶋、欠場寸前からの2度目V/競輪

- ふるさとダービー弥彦で優勝し胴上げされる手島慶介(撮影・柴田隆二)
<弥彦競輪:ふるさとダービー>◇最終日◇22日◇G2
ラストバトルの「弥彦ふるダビ」は番狂わせが待っていた。山崎、小嶋の2大モンスターに新4回転の平原による三つどもえの機動力激突は、平原の3番手に付けた手島慶介(33=群馬)がゴール前で内を突いて大逆転V。直前にぎっくり腰でダウンし、最悪の体調の中で変幻自在の切れ味は色あせたが、最後の最後でくせ者ぶりを発揮。一昨年のふるダビ防府以来、2度目のG2をつかんだ。
歴史を閉じる「ふるダビ弥彦」には最後の最後に究極の結末が用意されていた。平原が打鐘すぎから大ギア発進。ホームから小嶋が猛追し、内に詰まらされた山崎は4回転エンジンに点火できない。小嶋が迫ると、直線で地元の諸橋が渾身(こんしん)のブロック。4角でぽっかりとあいたインのVラインに、手島が吸い込まれていった。
不調にあえぐ中で怪物ランドを吹き飛ばした。13日の日曜日。ジムで160キロのバーベルスクワット中に、ぎっくり腰に襲われた。「いつもは220から230キロなんで油断もあった」。病院へ急行してエックス線検査を受け、はり治療を行ったが「丸2日間は何もできなかった」。
山梨での直前合宿もキャンセル。「欠場しよう」。大概の不運もプラス変換してしまう男ですら落ち込んだ。初日は矢口の番手で7着。2予を何とか3着でクリアすると「天才だ」と自分自身を鼓舞。決勝進出には「この体調でよくここまで」と感極まった。それほど最悪の状態だった。
一昨年11月のふるダビ防府は武田をまくり一発で仕留めて初制覇。初出場のGPで2着に食い込んだ変幻自在の手島は、今シリーズの準決まではどこにもいなかった。それでも2大怪物に4回転平原のスピードとパワー席巻を忍者の切れ味で勝利をかっさらって、せせら笑う。油断もすきもない。そり上げた頭同様に手島がギラリと光れば、怪物時代は混沌(こんとん)へと引きずり込まれる。【大上悟】
[2008年4月23日8時30分 紙面から]
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