プレーバック ~2000年~
熊谷が圧勝「プレッシャー楽しめた」
<2000年5月29日付紙面:蒲郡競艇>
王道の逃げで熊谷直樹(35=北海道)が栄冠に輝いた。愛知・蒲郡競艇のSG第27回笹川賞(優勝賞金4000万円)は晴天に恵まれた28日、12Rで優勝戦が行われた。インから会心のスタート、自信のターンと完ぺきなレースで熊谷が圧勝、97年平和島のオーシャンC以来、2度目のビッグ優勝を飾った。2着は差し争いを制した山崎智也。昨年の覇者・浜村芳宏は5着に終わった。
「疲れましたね」。圧倒的な1番人気の重圧から解放され、レース後はようやく安どの表情がのぞいた。「でも、プレッシャーを楽しむことができました」という言葉通り、堂々の完勝だった。
ピット離れで飛び出すと、烏野と6号艇から前づけにきた山本の2コース争いをしり目に、あっさりインを確保。そしてコンマ15のトップSを決めて、まさしく他を寄せつけず、の横綱相撲で押し切った。
「あれぐらいは動いてくるのは分かっていましたからね。自分さえしっかり先に回れば、まくられも差されもしないと思っていました」。自分との闘いに見事に打ち勝ち、97年の平和島オーシャンC以来、2度目のSGをもぎ取った。
97、98年の2年連続銀メダルを含めて、賞金王決定戦に出場すること3度の猛者も、昨年は極度の不振に悩まされた。エンジン負けするシーンが目立ち、自らも「去年の1年間は長かった」と振り返った。しかしペラを一新した今年は3月の平和島DCから手ごたえをつかみ、上昇気流に乗っての蒲郡入りだった。
「ペラが合わなくなると、自信もなくなって悪い方へ悪い方へといってしまう。でも、ようやくやっていることが身についてきたんだと思います。これで賞金王(決定戦出場)も見えてきましたね」。
獲得賞金は6000万円を超えて2位に浮上。苦しみ抜いた1年間は無駄ではなかった。自信を取り戻した北海のクマが、高らかに復活の雄たけびを上げた。【浅田和則】
◆熊谷直樹(くまがい・なおき)1965年(昭和40年)3月29日生まれ、35歳。北海道出身。85年3月登録の56期生。同期には日高逸子、矢野素也らがいる。通算38優勝し、G1は6回、SGは97年の平和島オーシャンCがある。97年の春に出生地・北海道に転居。レース場へは“遠距離通勤”、支部は東京に所属している。今回の笹川賞の優勝で来年の笹川賞までの優先出場権を獲得したが、次回の下関グラチャンはフライング休みにかかるため出場できない。


