プレーバック ~2002年~
西島、圧巻まくり差しで笹川賞初優勝
<2002年6月3日付紙面:尼崎競艇>
尼崎競艇の「SG第29回笹川賞」は2日、優勝戦(優勝賞金4000万円)を行い、西島義則(40=広島)が3コースから圧巻のまくり差しで笹川賞初優勝を飾った。SG制覇は97年住之江総理大臣杯以来7度目。1番人気の松井繁はインからトップスタートを決めたが先マイが差され、道中も競り負け4着敗退。2着は最内を差し伸びて1周2M差し浮上した今垣光太郎で、3着には松井に競り勝った上滝和則が入った。
大外6号艇の男を中心にすべてが進んだ。松井が、そして上滝が。強引な前づけを防ごうと策を練る。上滝は2号艇ながら前づけ気味に枠なりコースを確保。インの鬼は3コースに落ち着いた。が、それもこれも西島が描いたVシナリオだった。「3コースはイメージトレーニングできていた」。1マーク、握って回る松井と差した上滝の間をあざ笑うかのように差し抜けた。笹川賞を勝ち、SGコレクションはこれで7個となった。
「自分でもびっくりするようなターン。会心のレースじゃった」。出走前から存在感で圧倒した。準優10Rを2着で勝ち上がった。V本番の6号艇に「ウン、ええ枠じゃ」とニヤリと笑えるのはこの男しかいない。優勝戦当日の場内インタビューもコース取りでファンの注目を独占した。
気力、体力とも充実していた。6月末の地元宮島のGCに向け、公称56キロの体重を50キロまで絞り込んできた。一昨年、下関GCからSG3連覇を果たした時は壮絶な減量で苦痛がにじんだが、今は違う。「ジムに通って、ランニングや水泳で体力を落とさず減らしている。気持ちもリラックスしてる」。地元GCに向けて心、技、体は2年前を上回っているのだ。
今年は3月平和島総理杯や直前のびわこ周年など途中欠場が目立ち、リズムはよくなかった。今節参加前に夫人を伴い、昨年他界した祖父郡市さん(享年95)の墓に参った。本厄でもあり、厄払いの意味もあったのだろう。
この後の宮島GCを狙うのはもちろん、ダービーと賞金王決定戦を制すればグランドスラムと、夢は膨らむ。「選手なら狙っていくべきものでしょう」。不惑の最強レーサーが力強く言い放った。【草川太郎】
◆西島義則(にしじま・よしのり)1961年(昭和36年)10月30日、島根県生まれ。165センチ、50キロ。第49期生として81年11月にデビュー。艇界きってのインファイターとして知られ、97年の住之江総理大臣杯以来、今回の笹川賞制覇でSG7V。
★今垣光太郎(2着)3コースだったとしても、差せる回り足はなかった。
★上滝和則(3着)進入は作戦通りだった。西島さんのターンがうますぎた。
★矢後剛(5着)いいスタートが行けたが、1M展開がなかったね。
★瓜生正義(6着)スタートで放ってしまった上に1Mで浮いてしまった。


