プレーバック ~2003年~
デビュー18年目の平石がまくり差しV
<2003年6月2日付紙面:平和島競艇>
デビュー18年目にして、平石和男(36=埼玉)が初タイトルに輝いた。東京・平和島競艇場のSG「第30回笹川賞」の優勝戦が最終日の1日に行われ、平石が6コースからまくり差しを決めて優勝。8大競走SGの初優出から、いきなり勝って優勝賞金4000万円を獲得した。3月戸田の総理大臣杯の西村勝に続く埼玉勢のSG連覇となった。人気の今垣光太郎はイン逃げが流れ3着。追い上げた烏野賢太が2着をキープした。
競艇では最も不利な6コースから、平石が鮮やかなまくり差しを決めた。夢にまで見たSGタイトルだ。「スローのカドも狙ってはいたが、スタート展示で6コースになった。単騎ならいいや。思い切って行くだけ」と腹をくくったダッシュ戦。決してスタートの速くない平石が、コンマ24とはいえトップスタート。グイグイ伸びて、1マークを力強く切り込んだ。
イン今垣が握って流れた内を平石が伸びかわし、2Mの先取り。さらに内を埼玉の先輩・加藤が届いてきたが、「この先頭で負けてはいけない」としっかりターン。烏野も浮上してきて、巻き返しを狙う今垣と3人で2着争いの展開。残る2周を危なげなく回り、SG初タイトルのゴールへ飛び込んだ。右手で小さくガッツポーズを連発した。
勝利インタビューの第一声は「うれしい。感無量です」と聞こえたが、あとは涙声でよく分からない。デビュー18年目にデッカイ仕事を成し遂げた男の安ど感があった。「(初タイトルが)こんなに感動するものなら、もっと早く勝ちたかったね」と本音も出た。
今回の埼玉勢は加藤、池上、滝沢、西村と自分以外はタイトルレーサーばかりの布陣。初タイトルをマスコミにせがまれると、「いつかは取れると思う。焦っても仕方ない。決して仲間に後れを取ったとは思っていない」とひそかな闘志をたぎらせていた。特に同期58期の池上裕に対するライバル心は大きい。「常に池上さんに先を越され目標にしてきた。賞金王決定戦だけは自分が先に出たい」と、賞金トップに躍り出た瞬間から、暮れのグランプリに目標設定を置いた。
8大競走のSG戦で12回目の準優戦を突破して、いきなりのタイトルだ。「プレッシャーはない。これからもチャレンジャー精神で戦う」。苦労人でまじめな平石がタイトル覇者になって、さらに安定感のレーサーを目指す。【永井伸彦】
◆平石和男(ひらいし・かずお)1966年(昭和41年)7月14日、東京・大森生まれの36歳。86年3月、58期生として登録、同年5月に戸田でデビュー。初勝利は同年6月の浜名湖。初優勝はデビュー7年3カ月目の93年7月、多摩川新鋭リーグで飾る。G1は95年桐生周年で初優勝、今年の江戸川関東地区選手権まで5回優勝、それを含め通算では116優出で26回優勝。SGは過去13度準優戦に進出したが、昨年の賞金王シリーズで突破しただけでSG8大競走では今回が初優出だった。同期には同じ埼玉の池上裕次、三角哲男、田頭実らのSG覇者がいる。家族は妻都(みやこ)さん(29)と1男2女。164センチ、50キロ。血液型B。
★烏野賢太(2着): S一気の自分のレースができなかった。正直悔しいね。
★池田浩二(4着): Sは全速。イチかバチか、まくったが1Mうねっていた。
★加藤峻二(5着): できたら平石とワンツーしたかった。精いっぱい頑張った。
★石田政吾(6着): 準優より上昇したが、湿気もあって1Mでレースにならなかった。


