プレーバック ~1999年~
浜村“有言実行”ビッグ初優勝!
<1999年5月24日付紙面:蒲郡競艇>
イン圧倒で浜村芳宏(32=徳島)が一番星に輝いた。第26回笹川賞は23日、愛知・蒲郡競艇の12Rで優勝戦が行われたが、インを死守した浜村がコンマ04のトップスタートを決めて逃げ切り、ビッグ初優勝を成し遂げた。2着は吉田隆義、新美恵一の地元コンビで争ったが2周1M、吉田のツケマイで決着をみた。浜村は5回目のビッグ優出で悲願のビッグ制覇。またこの優勝で賞金ランキング2位へ浮上した。
まさに平常心の塊だった。浜村の胸に宿る言葉は、たったひとつ。“敵は他にあらず、われにあり”。優出が決まってからは、ライバル5人に過剰な意識をすることはなかった。「先マイだけしたい。自分のやる仕事をして、差されても仕方ないと思っているよ」。
有言実行。新美と互角のピット離れから決意の通りインを死守すると、コンマ04のトップスタート。2コース新美の差し切りを許さなかった。1周2マークを回って勝利を確信。「いつも勝ちを意識して失敗していた。だから今日は余計なことを考えずに、平常心でレースをしたかったんです」。記念初Vの蒲郡周年から4年後。再び同じ舞台で、ビッグな勲章を勝ち取った。
この勝利はエンジンだけでは計れない、たくましい精神力の表れでもあった。昨年は24時間、目まいに襲われるメニエル病に苦しめられた。エンジン音で吐き気が起こり、ペラも満足に作れない。レーサーとして大きな不幸に見舞われた時間は、とてつもなく長かった。「あの時があるから今、頑張れる。元気でいられるのは、周りの人に恵まれたおかげです」。今年の原動力は、辛酸をなめた昨年があってこそ、と力説した。「今は、走る喜びを感じながらレースができている。余計なプレッシャーを背負わずに済んだのも、それが大きいと思います」。
これで今年の賞金額は、約7565万円で第2位に浮上。2年ぶりの賞金王決定戦出場へ、大きく前進した。「先輩、後輩や同期のみんなが頑張れば、僕も頑張れる。今までがそうであったように、これからもそうありたい」。少しだけひとみを潤ませて、家族と仲間の待つ徳島へ帰っていった。【鎌田優】
◆浜村芳宏(はまむら・よしひろ)1966年(昭和41年)8月24日生まれ。徳島県出身。第60期生として87年5月にデビュー。同期は上滝和則、烏野賢太、倉谷和信、川崎智幸ら。95年(平成7年)7月の蒲郡周年でG1初優勝。師匠は新開文夫。ペラ仕上げとレース運びの巧みさに定評があり、自ら率いるグループには近藤稔也、武田信一、’98女子王座を制した横西奏恵らがいる。157センチ、50キロ。血液型AB。


