過去のレース ~1999年~
今垣、栄光ゴールにガッツポーズ!
今垣光太郎(29=石川)がSG初優出で初Vの快挙を成し遂げた。99年SGの開幕シリーズ、岡山・児島競艇の第34回総理大臣杯は22日の最終日、第12Rで優勝賞金4000万円をかけた覇者決定戦が争われ、SG初優出の今垣が松井繁の内へ艇を差し込み、総理杯をゲット。SGレース初優出での優勝は97年唐津ダービーを制した山崎智也以来。90年平和島総理杯の岩口昭三(福井)以来、9年ぶりにSGタイトルを北陸路へもたらせた。
そこにVの光が見えた。フライングが出るほどの強烈なスタート合戦。「タッチくらいだと思ったよ」の言葉に自信が満ちあふれていた。田中の先マイに松井の差し。一瞬、この大阪コンビの攻防でピリオドを打つのかと思われる展開。しかし、植木と古場の間にポッカリとVロードが開ける。「ここだ!」とばかりに全速で差し込んだ。
バックストレッチに抜けたとき「やったかもしれん」と脳裏を“優勝”の2文字がかすめていった。2マークを先マイして、後はトップを守り切るだけのポジショニング。ただ、忍び寄る松井の影は何とも不気味だった。松井の執ような食い下がりに見ている方はハラハラ、ドキドキ。しかし、今垣は「Vサインしようと思っていたのに、ガッツポーズになっちゃいましたよ」と自分ひとりの世界にひたりながら栄光のゴールを迎えた。
ヒーローインタビューでは「ホント、実感ないです。涙も出なかった」とリラックスして臨んだ優勝戦出場選手インタビューとは逆に、緊張気味に声も上ずる。質問にも考え込んでなかなか言葉にならなかった。ただ父武志と家庭のことには「父は人間的に超えられないくらい尊敬しています。そして、家庭を持ったことで精神的に落ち着きましたね。苦しいときにも子供の顔を思い出して頑張ってきました」ときっぱり。
年頭の目標はSG優出。それを執念でクリアしたかと思ったら、初タイトルをあっさり奪取。「グリーン(6号艇)がラッキーカラーになりましたね。それもこれも父と家族のおかげです」。そして今、今垣の夢は賞金王戦士へとはばたき始めた。 【加藤孝正】