新田SG切符きた~G1初優出V/競艇

- 優勝した新田芳美(右)は山本高広と「優勝がきたー」(撮影・奥田泰也)
<競艇:女子王座決定戦>◇最終日◇8日◇G1◇尼崎競艇場
うずしおレディースのお姉さん格・新田芳美(39=徳島)が大仕事、G1初優出初優勝をやってのけた。同郷で本命視された横西奏恵が谷川里江、山川美由紀の攻めをブロックする間に新田は1Mを差し抜け、内を伸びて横西をとらえ、感激の震えを抑えつつ栄光のゴールを走り抜けた。これで新田は、多摩川競艇で17日開幕する総理大臣杯にSG初出場する権利を獲得した。
新田が横西を3艇身ほど離してゴールを目指す。本来はセーフティーリードだが、レバーを持つ手の震えは止まらなかった。「選手になって初体験」という震えを抑え、G1初優出初優勝、栄光のゴールに到達。そこで新田は思い出した。「ガッツポーズしなきゃ」。ゴールを少し通り過ぎ、右手がようやく上がった。引き揚げてくるなり、思わず「やっちゃったなぁ」と漏らした。
レベルの高い徳島女子勢は、うずしおレディースの異名を取るが、その中で39歳はお姉さん格。あまり勝負に執着しないのんびりした性格は、ピットの雰囲気を和ませてくれる存在だ。それが、今期は勝率6点台半ばと好調。横西ら後輩に刺激され、また夫である近藤稔也選手のアドバイスも受け、ペラ製作に熱心に取り組むようになった成果が出たのだ。
今大会はその好調さが、そのまま出た。進入から波乱含みのレースだったが、優勝戦の新田はコンマ34とスタートで仕掛け遅れた。カドから伸びる山川の黄色い艇が見えた時、「(自分の勝負は)これで済んだな」と思った。それでも出足の良さでバックでは、横西の内に並びかけ、2Mも先取り。「展開一本です」と言ったが、震えた割には堂々のレースだった。
これで多摩川総理大臣杯で初のSG参戦を果たす。「総理杯はいつからですか? 平和島に出ることになってるけど、どうなるの」。こんなところでも、報道陣を和ませてくれた。「これで女王と呼ばれますね」と問われると、「本当に無欲でした。なんちゃって女王です」と返し、笑いのうずを起こした。新田が多摩川で何をやってくれるか。“なんちゃって女王”に注目だ。【中川純】
◆新田芳美(にった・よしみ)1969年(昭和44年)12月4日、徳島県生まれ。県立小松島西高を卒業後、選手養成第66期生として90年5月に鳴門競艇場でデビュー。初優勝は96年の鳴門女子リーグで通算9回。女子王座戦は初優出で初優勝。家族は同期の夫・近藤稔也選手(38)と1女。156センチ、45キロ。血液型はA。
[2009年3月9日8時50分 紙面から]
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