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4戦目コマンドと22歳川田勝つ/ダービー

<岡山俊明の本日快晴:ダービー>

 混戦ダービー、最後に笑うのはフレッシュなコンビだ。岡山俊明「本日快晴」は、3戦2勝のアドマイヤコマンドに期待する。主戦の川田将雅騎手(22)は戦後最年少Vを、馬は青葉賞勝ち馬として初の制覇を目指す。人が記録を塗り替え、馬がジンクスを破った時、このコンビが8150頭の頂点に立つ。前日発売でアドマイヤコマンドは9・3倍の4番人気に支持されている。

 競馬の常識が予想に役立つ場合は多く、大レースほどデータが生きてくる。ただしそれにとらわれ過ぎると、大事な個々の馬の実力を見落としてしまう。「青葉賞馬はダービーを勝てない」。このジンクスはよく知られていて、青葉賞が創設された84年以降、例外は1頭もいない。しかし、今年のアドマイヤコマンドはちょっと違う。

 3月16日の遅いデビューで、一生に一度しか出られない大舞台に間に合ったこと自体がミラクル。新馬戦を7馬身差で勝ち、2戦目で時計を2秒4(15馬身に相当)も縮めた。この時はディープスカイに2馬身半差をつけられ2着に負けたが、敗因は1800メートルにおける瞬発力とキャリア(相手は9戦目)の差。アドマイヤコマンドも最後までいい脚を長く使って伸びていた。距離が2400メートルなら、瞬発力で劣っても優れた持久力で逆転できる。

 前走青葉賞は積極先行で快勝。当時の馬場状態は今日予想されるやや重で、特殊な走路に対応できる裏付けも取れた。これまで青葉賞馬が勝てなかった最大の理由は皐月賞組とのレベル差が大きかったためだが、今年の勝ち時計は最近10年の良馬場で最も遅く、2着タケミカヅチの走破時計はやや重だった00年にも劣る。したがって例年ほど開きはないと考えられる。

 肝心の状態も上向いている。前走の12キロ減は、調教強化によって緩かった馬体が絞れた成果。今回はさらにハードに追われて、一段階上の仕上げが施された。直前の追い切りは時計の掛かる栗東Cウッドで78秒5-12秒9の猛時計。勝利の味も惜敗の悔しさも知る橋田満師(99年アドマイヤベガ1着、06年アドマイヤメイン2着)は、並の仕上げでは勝てないことを十分に知っている。青葉賞馬につきまとうジンクスが、破られる時が来た。

 馬がジンクスを破るなら、人は記録を破る。すべての手綱を取ってきた川田将雅は、思い切りのいい騎乗で定評がある。キャプテントゥーレでG1初制覇した皐月賞は意表を突く逃げで後続を惑わせ、女神を呼び寄せた。曾祖父(佐賀競馬の名騎手)の代から競馬にかかわる5年目の22歳。「本当に能力が高い馬。気持ち良く競馬できたらいい」。時々笑みさえ浮かべる受け答えからは、余裕すら感じさせた。勝てば田島良保が持つ戦後史上最年少優勝記録(23歳7カ月)を抜く。常識の物差しでは計れない人馬に、託してみたい。

 [2008年6月1日6時49分 紙面から]


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