スクリーン鹿戸雄師初重賞/AR共和国杯
<アルゼンチン共和国杯>◇9日=東京◇G2◇芝2500メートル◇3歳上◇出走16頭
3番人気スクリーンヒーロー(牡4、鹿戸雄)が、直線で力強く抜け出して初タイトルを手にした。53キロの軽ハンデを生かして、実績馬を振り払った。管理する鹿戸雄一師(46)も開業初年度で早くも重賞勝ちとなった。2着にジャガーメイルが追い込み、1番人気のアルナスラインは3着に敗れた。
格上挑戦を感じさせない完勝だった。縦長の展開でレースが進む中、スクリーンヒーローは5番手の内で脚をためた。直線に向くと、前でやり合う他馬を目標に馬場の真ん中をグングンと加速。人気のアルナスライン、ジャガーメイルも脚を伸ばすが、ゴール前ではセーフティーリードを奪っていた。2分30秒8の好時計での重賞初制覇。「引っ張ってくれた馬たちを追い掛ける惰性で抜け出せた。前に乗ったときより、しっかりしているし、気持ちもまじめになっていた」。昨年5月のプリンシパルS以来の騎乗だった蛯名騎手も成長に目を輝かせた。
今年3月に開業したばかりの鹿戸雄師にとっても、うれしい重賞初制覇となった。牝馬3冠で好走したエフティマイアなど開業年からG1にも有力馬を送り込み、重賞12度目でのタイトル。鹿戸雄師は「最初の重賞勝ちは(エフティ)マイアかな、と思っていたけど。いい馬を任せてもらってますから、やっぱりホッとした。騎手での重賞勝ちとはまた違いますね」と照れ笑いを浮かべた。
調教師を目指すきっかけとなったのは現役騎手時代に、藤沢和厩舎の調教を手伝うようになったこと。「初めは人手が足りないって言うので手伝っていただけ」だったが、05年には英インターナショルSに遠征したゼンノロブロイの調教担当を任された。レースに騎乗しながらも、日本のトップステイブルの技術、考えを吸収する機会を得たことが、今の礎となった。
スクリーンは07年セントライト記念3着で菊花賞の権利を手にした後、左前脚の骨折が判明し、長期休養を余儀なくされた。休養中に引退した矢野進師から引き継いだ夢はG1制覇。「JCや有馬記念も含めて、馬の様子を見て考えたい。来年の天皇賞も楽しみ」。新たな看板馬が生まれた新鋭厩舎の勢いは、まだまだ止まらない。【高木一成】
[2008年11月10日8時54分 紙面から]
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