グレイン不振脱出へ気迫戻る/マイルCS
<マイルCS:追い切り>
春のスプリント王ファイングレイン(牡5、栗東・長浜)に気迫が戻ってきた。マイルCSに向けた20日の最終追い切りは、栗東Dウッドコースでラスト11秒7と迫力の伸びを見せた。手綱を取ったのは幸騎手ではなく調教助手。G1制覇時と同じ調整パターンで、秋の不振から脱出する。
こん身の右ステッキが、たて続けに入った。残り1ハロン標識を合図に、ファイングレインのエンジンに火が入った。大きなアクションで4発。激しく追い立てるあん上の気迫に応えるかのように、反応鋭く、ラストは11秒7という伸び脚を繰り出した。5ハロン68秒0。しまい重点の内容とはいえ、手綱を取った影山助手が「しっかり動いていたし、いい感じ。(動きは)悪くないというよりも、いいと思う」とうなる加速力だった。
秋4走目。もどかしかった攻めの走りに本来の迫力が戻ってきた。「切れ」だけではない。「気迫」も戻ってきた。最終追い切りの手綱を取ったのは主戦の幸ではなく厩舎スタッフ。ここに復活のヒントが隠されている。影山助手は「先週の感じだとかなり気合が乗っていた。幸と話し合った結果、こちらがやった方がいいという結論に達した」と理由を明かす。
状況は春の高松宮記念と非常に似ている。当時も馬が「乗っていてもこちらが辛抱できないというぐらい」(同助手)に気合が乗っており、直前の追い切りには幸を起用しなかった。普段の乗り手がまたがることで、テンションの上がりすぎを防いだ。それが功を奏してG1初制覇に結びついた。
この秋、スプリンターズSもスワンSも、最終追い切りのタクトを振るったのは幸。まだ、ギリギリまで風船が膨らんだ状態ではなかったからの選択だった。今回は違う。影山助手はキッパリと言った。「距離が違うのでどうかと思うが、気合が入ってきたのはいい傾向」。G1を勝ったときと同じような、張り詰めた雰囲気が漂ってきた。
長浜厩舎は先週、リトルアマポーラでエリザベス女王杯を優勝した。幸は「厩舎に勢いがある。それにあやかりたい」と笑った。不安視される距離も、NHKマイルCで2着に粘った実績がある。G1ホースの底力が大一番で怖い。【鈴木良一】
[2008年11月21日7時48分 紙面から]
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