グラスワン豪脚で突き抜ける/ジャパンC
<岡山俊明の本日快晴:ジャパンC>
グラスワンの豪脚を侮るな! 「本日快晴」岡山俊明は、オースミグラスワンの強襲に懸ける。天皇賞(秋)は7着だが、ウオッカとはコンマ3秒差。春の新潟で上がり3ハロン31秒9という驚異的な数字をたたき出しており、有力馬をまとめて差し切るシーンが目に浮かぶ。
天皇賞(秋)はウオッカとダイワスカーレットのデッドヒートに目を奪われがちだが、VTRを繰り返し見ると外からけなげに追い込むオースミグラスワンが気になって仕方がない。内が伸びる馬場で前も止まらず0秒3差7着が精いっぱいでも、上がりはカンパニーに次ぐ34秒0。距離が延びれば…の期待を抱かせるに十分な競馬だった。
G3を2勝しただけだから、格ではとても及ばない。しかしながらこの馬には強烈な武器がある。今夏の新潟大賞典で計時した上がりは31秒9! 1ハロン10秒台の脚を3ハロンにわたって繰り出している。日本一の末脚。2馬身半突き抜けた走りは1頭だけ次元が違った。31秒9は進化した現代のサラブレッドでも限界の数字。1000メートルでは時々出現するが、2000メートルでマークしたのだから化け物だ。いくら直線だけの競馬をしても、ここまでの脚を使える馬はいない。おそらくウオッカでも無理だろう。もちろんフラットな新潟と違って起伏のある東京では31秒台など出るわけはないが、持続力のある末脚は長い直線でこそ生きる。前走の0秒3差などちょっとした展開の違いで逆転できる。
母系がすごい。1904年生まれのフローリスカップから脈々と日本に生き続けてきた系統で、初期はシアンモア、月友、トサミドリといった一流種牡馬が配合されてきた。曾祖母トサモアーはオークス3着、菊花賞2着と長い距離で好走。古来の血脈だからこそ、国際レースでは余計肩入れしたい。姉オースミハルカは重賞4勝を挙げ、エリザベス女王杯でも2着に入っている。父グラスワンダーは有馬記念連覇。オースミグラスワンは中距離中心に使われてきたが、2400メートルをこなす下地は十分に整っている。
最終追い切りは坂路で14秒6-13秒9-13秒0-12秒8と理想的な右肩上がりのラップを刻み、いっぱいに追われた。これだけビッシリやれたのは好感が持てる。あん上はできる男の川田将雅。「とにかくこの馬の競馬に徹するだけ。左回りはいいし距離もこなせる。じっくり乗ってどこまで脚を伸ばせるか。一発狙います」と頼もしい。ゴール前の大逆転はある。
[2008年11月30日8時48分 紙面から]
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