武決断、朝日杯で復帰!落馬後初調教騎乗
右前腕骨折で休養中だった武豊騎手(39)が、21日日曜の中山で復帰する。騎乗馬は朝日杯FSのブレイクランアウト(牡、戸田)に絞って1頭入魂。18日は負傷以来初めて栗東トレセンに元気な姿を見せ、1頭の調教に騎乗した。28日の有馬記念には予定通りメイショウサムソン(牡5、栗東・高橋成)で臨む。
馬から下りた武豊は、喜びを隠しきれなかった。自然とほおが緩んだ。「乗れたことがうれしい」。会心の笑顔とは、まさにこの表情。11月23日の京都競馬5Rで落馬し、右前腕(尺骨骨幹部)骨折の診断を受けてから24日。馬上で感じた久々の風は最高だった。
父邦彦師の管理馬メイショウラッシー(古馬1000万下)にまたがり、週末の復帰への最終確認を行った。Cウッドコース。ハロン17~18秒のキャンターから徐々にピッチを上げると、最後は軽く仕掛けて12秒5のフィニッシュを決めた。「好きに乗っていいと言われていたし、ちょっと伸ばしてみた。人馬ともにね」。行き出しこそ慎重に見えたが、流れに乗ってからはいつもの姿だ。
朝日杯FSでの復帰を目標に、リハビリに励んできた。はり治療。点滴。初めて加圧トレーニングも取り入れた。腕や大腿(だいたい)の付け根に適切な圧力をかけて血流を制限することで、軽い負荷でも筋力をアップできる。また高気圧酸素カプセルにも入り、新陳代謝を促進させた。
今まで以上に食事も気を使った。「いいと言われたことは何でもやった。競馬学校時代以来じゃないかな、こんなに煮干しを食べたのは」。
当初は医師から年内絶望と診断されたが、支えとなったのがブレイクランアウト陣営からの言葉だった。「ギリギリまで待ってくれると言ってくれた。それがうれしかった。その言葉があったから、何とか間に合わせたい気持ちが強かった」。調教騎乗後「考えて、まず調教師に報告したい」と明言を避けたのは、陣営へ感謝の気持ちの表れだった。
東スポ杯2歳Sでは首差の2着に惜敗した。それでも大一番での逆転へ手応えがある。「素質はかなり。瞬発力のある馬だし、かえって中山マイルが向くかもしれない」。今週の騎乗はこの1クラ。まさに1頭入魂の騎乗だ。フィナーレの有馬へ向けて、武豊のミラクルストーリーが始まる。
[2008年12月19日8時5分 紙面から]
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