ワンダーV岩田G1最多4勝/朝日杯FS
<朝日杯FS>◇21日=中山◇G1◇芝1600メートル◇2歳牡・牝◇出走16頭
仕事人が大一番の勝負強さを見せた。岩田康誠騎手(34)が2番人気セイウンワンダー(牡、栗東・領家)を2歳チャンプに導いた。今年G1・4勝目を挙げ、初の年間G1最多勝を確定させた。フィフスペトルが頭差の2着。1番人気ブレイクランアウトは3着だった。
「内を突く」。岩田は決めていた。直線残り200メートル。セイウンワンダーを右斜め前に滑り込ませた。ツルマルジャパンとホッコータキオンの間。内ラチを頼りに右ムチを振るい、ゴールへ導く。あと50メートル。外からルメールのフィフスペトルが迫った。「内外が離れていたので、何とか押し切ってくれないか…と。電光掲示板を見るまで分からなかった」。3の数字が1番上に点滅。胸をなで下ろした。
腕がさえ渡った。外ラチ沿いを滑走した新潟2歳Sと反対に、内に向けて走らせた。「ラチに頼った方が伸びてくれる。狙い通りです」とニヤリ。天皇賞・春(アドマイヤジュピタ)安田記念(ウオッカ)秋華賞(ブラックエンブレム)に続き、4つ目のビッグタイトルを獲得。年間G1最多勝を確定させた。すべて違う馬での勝利は、確かな技術と勝負勘を裏付ける。「昨日(土曜日)は自分のミスで騎乗停止になり申し訳ないことをしたが、最後に勝たせてもらって良かった。また来年です」。中央競馬では年内最後の騎乗。最高の締めくくりとなった。
好騎乗に応えた馬も強かった。中間は、左前の蹄(てい)球炎で東スポ杯2歳S出走を断念した。3カ月半のぶっつけという厳しい条件下で結果を出した。領家師は「いくらかプレッシャーはあったが、彼の精神力はただものではない」と愛馬をたたえた。JRAブリーズアップセールで最高価格の2730万円で取引された。「本当はこの馬とは別の馬を買うつもりだった。しかも、1600~700万で落とせると思ったら、引くに引けなくなって(笑い)。それだけに、孝行できて良かった」と喜びをかみしめた。
2歳チャンプの看板を手にしたセイウンワンダーは皐月賞戦線で1歩リード。09年も、人馬の活躍が目に浮かぶ。【和田美保】
[2008年12月22日8時38分 紙面から]
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