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スカーレット天皇賞以上の出来/有馬記念

安藤勝騎手を背に坂路で追い切るダイワスカーレット
安藤勝騎手を背に坂路で追い切るダイワスカーレット

<有馬記念:追い切り>

 有馬記念で牝馬は63連敗…でも猛女ダイワスカーレットは違うんです! 24日の最終追い切りをチェックした名将松田国英師(58)は、2センチ差の名勝負を演じた天皇賞(秋)以上の状態を確信。昨年2着の雪辱へ、71年トウメイ以来37年ぶり4頭目の牝馬Vへ、態勢は整った。

 37年ぶりの歴史的偉業をダイワスカーレットが成し遂げる。デビューから11戦連続連対記録は、あのディープインパクトに肩を並べる。ウオッカとの直接対決も5戦して3度先着。延べ63頭もの牝馬をはね返してきた高い壁を乗り越えるのは、この猛女しかいない。

 安藤勝騎手を背にした追い切りは力みのない軽やかな脚さばきだった。首をリズムよく振りながら、ウッドチップのじゅうたんを華麗に駆け抜けた。馬の行く気に任せての時計で800メートル53秒4、ラスト200メートルは13秒6。もう強い調教は必要なかった。穏やかに笑みを浮かべて会見に臨んだ松田国師は「上下動もしっかりしていたし、背中や腰も天皇賞に比べてずいぶん良くなっているなと思った」と語り、前走以上の仕上がりを確信した。

 天皇賞(秋)は7カ月の休み明けのため、パドックや馬場入場時から気負っていた。それでも、前半1000メートル58秒7という超高速ラップで馬群を引っ張り、最後までウオッカを苦しめた。まさに負けて強し。1度レースを使ったことで気持ちのガス抜きもできた。「馬が自分の気持ちを人に委ねるだけの余裕を持てる状態」。この日のリラックスした走りがトレーナーの言葉を裏付ける。

 レース直後に有馬記念出走が発表されたように、今シーズンのシナリオは早くから準備されていた。激走の反動や疲労具合が厩舎スタッフによって細かくチェックされ、放牧先の山元トレセンでも入念に状態を見極められた。不安要素は見当たらなかった。

 2着だった昨年はまだ3歳で、競走馬として成長の余地を残していた。特に春は基礎体温の変動が激しく、トレーナー自身が手探り状態だった。昨年の秋ごろから強い負荷をかけても基礎体温が安定するしんの強さを身につけた。「大人になった。競走馬として充実した走りを見せられる」とトレーナーは胸を張る。4歳秋を迎え、いよいよ円熟期に入る。「来年は海外で競馬をしたいし、海外でウオッカと競馬をしたいと考えている。有馬は期待している」。宿敵は不在。落とすわけにはいかない。【山本幸史】

 [2008年12月25日7時56分 紙面から]


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