シンゲン「風林火山」で勝つ/エプソムC
<エプソムC:追い切り>
エプソムC(G3、芝1800メートル、14日=東京)に向けて10日、美浦では前走新潟大賞典を制したシンゲン(牡6、戸田)が好仕上がりを見せた。
戦国最強と言われた武田信玄。その名を持つシンゲンが、「風林火山」の軍旗の下で天下統一への布石を打つ。
単走での追い切りは風のように軽快だった。ポリトラックで前半から13秒台の速めのラップを刻んでいくと、ゴーサインに解き放たれたように力強いフットワークでゴールに迫る。5ハロンで65秒1。しまいも12秒6でまとめた。戸田師は「順調にきている。予定より時計は速かったが、しまいもしっかりしていたから。テンションもそんなに上がっていない」と満足そうに振り返った。
新潟大賞典を制して初タイトルを獲得。3度の骨折で順調さを欠いたこともあったが、能力開花の陰には精神面の成長も大きく影響している。以前はパドックでも前に突進するほど燃えたが、今は我慢できる。「もう少しレースに集中できる精神面を持てば」とトレーナー。林のように静かな精神面を保てば、まだ上を目指せる。
新潟大賞典では火の出るような末脚を見せた。メンバー最速の33秒6の上がりで中団から前をごぼう抜きしてみせた。5勝を挙げている東京は最高の舞台。「越後を制したから本丸は秋にとっておく。賞金を加算するためにここが重要なところだと思う」と、天皇賞(秋)を強く意識する。この後は札幌記念から「本丸」に乗り込み、十分な間隔を取る予定。賞金を加算して山のように動かず余裕を持ってレースに挑む。
藤田騎手の存在も大きい。信玄は「人は城、人は石垣」と人の大切さを説いた。師は「能力を認めてくれていることもあるだろうが、少し難しい馬が好きなんでしょう。シンゲンに乗せたら抜群にうまい」と絶大な信頼を置く。シンゲンには「人」にも恵まれた。強豪ひしめく戦国の中距離路線。シンゲンがその名を強烈にアピールする。【山本幸史】
[2009年6月11日9時6分 紙面から]
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